証券ビュー

アンコール伊勢町

総裁壷を振り急反発 拡大均衡の限界を探る場面 (2012.05.10)

2月14日の追加緩和帳消し。9日往って来いになった。GW明け欧州信用不安再燃によるもので、米国ではマックの既存店売上高3.3%増(4月)が悪材料という。8日NYダウ一時198ドル安。煽りを受けて日経平均も3ヵ月ぶり安値をつけた。前日の円ドル80円、ユーロ104円台が79円、103円台に切り上がっている。ユーロは対ドル7日連続安。大抵10日目が変化日で目を離せない。ギリシャと仏国民が6日の選挙でEU・IMFの「緊縮財政」に反発。ギリシャだけで第1、2次支援計約20兆円投入が吹っ飛びそうな情勢。しばしば述べるように資本主義、民主主義の限界にさしかかった。日経平均9000円割れを踏まえ、売りヘッジをかける動きが7日から目立つ。オプションプットの商いが急増しているためだ。8日261円安から何か始まる、9日堅物の総裁どんな壷を振るか。10、11日の相場が鍵を握っている。後場一段と円高に振れ、上海・香港株安も足かせというが、■■■■■■■(****)、■■■(****)、■■■(****)を見るとひとまずあく抜け。■■■(****)も、前日述べた13万3000円と12万4500円のボトムゾーン。黄金分割で12万9800円が中心値。反発が迫ってきた。9日決算発表した■■■(****)が■■■■(****)より先行。明るい見通しを表明している。日経平均の下値を黄金分割で計算すると8610円が目安。10、11日9000円割れとなれば、総裁自ら壷を振るはずだ。満を持した4月27日の声明が面目丸潰れだけに今回効くとみられる。ところで、選択と集中。1935年、米国GEのCEOジャック・ウェルチが生んだ常套句。強い部門に経営資源を集中し効率を追求すること。日本は健全な赤字部門の必要性を説き分散経営していた。ここ10、20年違うという。日経やビジネス誌に「選択と集中」が必要という記事が溢れるようになった。米国イズム、グローバリズムといわれ、日本もはまった。効率を上げるため、赤字部門を切り離し人を大幅に減らした。選択と集中が進むと確かに効率が上がる。この結果、雇用問題が未解決なまま。農水や畜産のように、非効率だが必要不可欠な産業に雇用を委ねるほかなくなった。グローバリズムに乗った多国籍企業は、世界のどこで国際競争力のある製品をつくりさばくのも自在。資本主義で一番太いお金が流れている。いい悪いは棚上げ。中小や零細を別として日本の大企業もリーマンショック、大震災、原発事故、超円高、タイ洪水などこなし最強のレベル。中核の225はNYダウ30種に次ぐ実力。急反発が迫っている。

日経平均は136円安。9045円の引け。出来高18億株、売買代金1兆1900億円。あく抜けしないまま200日移動平均9057円を下回った。9ヵ月ぶりである。4月の初押しが5月腰砕けとなり、振り出し以前の印象。反発しても戻り売りだ。しかし、引けあとトヨタの決算発表を見ると流石。通期円ドル79円、ユーロ109円で2度目の上方修正。今期も連結18%増収、営業利益2.8倍を見込む強かさ。逃げを打つにはまだ早い。ホンダ(7267)も連結30%増収、営業利益2.7倍を見込んでいるためだ。米国同様に多国籍企業のリバウンド。11月米大統領選まで大丈夫。リーマンショック当時の水準が戻りの目安という。予想以上に落ち込んだ分、拡大均衡の限界を探る場面。10、11日から従来なかった相場が始まる。(了凡)