実現できる節電20%
夢でない3期でピーク更新
木曽路(8160)は4期ぶりに反転。続伸の見通し。前期3Qからバランスを取り戻した。1、2Q大震災、原発事故に伴う対応で混乱したが、8月末から産地指定による牛肉の放射線検査を始め、セシウム暫定規制値の10分の1と判明。客足が戻っている。事実、3月の既存店売上高123%(直前期87%)。4Q10店撤退(契約満了1)、減損1億900万円(直前期4億4500万円)計上し不採算処理一巡。前期末169店舗(うち木曽路115)。1月の組織変更で顧客起点営業に切り替えたほか、本社1階を(旧店舗跡)従業員の教育・接客研修用に一新。ピンチのあとチャンスがやってきた。4、5月堅調という。今期の出店11(退店1)。うち木曽路7の計画。設備投資19億8000万円(前期11億円)と厳選の印象。ちなみに、償却14億3000万円(同15億2800万円)。01年国内でBSEが発生して以来、02年飲酒厳罰、04年鶏インフルエンザ・牛トレサビリティ、08年リーマンショック、さらに大震災や原発事故、猛烈な円高をしのぎ10年越し。今年安定運、2020年(創業70年)にかけて上昇運。10月名古屋駅前に出店する新業態が次世代の風を吹き込みそうだ。俗に洋風居酒屋。20~40代中心の男女を対象に手作りワインと和風のビストロ(南欧料理)が目玉。客単価3500円前後で学生のコンパにも合いそうだ。懸案の素材屋を都心部26(ピーク60)に絞り底入れ。5月茨木にオープンする鈴のれんは和食新業態5年で8店舗目。順調のようだ。課題がじゃんじゃん亭(焼肉業態)としても、セシウムとユッケ相手に強かなもの。和牛一本にしぼり90%戻した。前半の営業赤字9億2100万円に対し、後半営業利益21億7300万円。後半需要期に変わりないが、4期連続営業赤字で折り返し危機感浸透。節電、労働時間管理、経費削減など販管費の改善が主因。客席を除き夏場15%節電に成功し20%でも実現できるという。外食業界は97年の29兆円をピークに09年23兆円まで落ち込んだが、大震災と原発、円高一巡を機に回復。徐々に上向いている。
2013年3月期(非連結)は、売上高470億円(6・5%増)、営業利益18億円(43%増)、経常利益18億8000万円(38%増)、純益9億2000万円(2・2倍)の見通し。配当14円(中間7円)を据え置く予定。前半5億円営業赤字予想だが、足もとがいいだけに5期ぶり黒字で折り返すと面白い。前期を足場に3期でピーク更新も夢ではない。8日1575円で引けたが、客足が日経平均と連動することも事実で、大震災直前の高値(1833円)更新が注目される。