あく抜け迫るGW明け TC東京総会伸び切った印象 (2012.05.02)
案の定安い。三角もち合い下放れ。5月早々円ドル80円割れに逆戻り。二ヶ月ぶりという。27日の日銀追加緩和に円売りドル買いが積み上がり、三連休明け買い戻しが入った模様。ユーロも105円台で初押しに変わりない。27日の追加緩和は綿密につくられ、批判に耐える内容だが、二の矢にしてはパンチに欠けた。このため、21、22日ホテルオークラで開かれたTC(日米欧委員会)を探ってみると、ロックフェラーにキッシンジャー欠席。物故した日本側ホスト役山本正(信越化学小坂前会長の秘書)追悼など伸び切った印象。唯一日経が電子版でわずか数行伝えた程度。それでも「今後の世界」を左右するだけに重要という。1973年ロックフェラーの提唱(日本側宮澤喜一)により立ち上げ、3、4年ごと米大使館前の別館に欧米と日本の政治家、財界人、知的エリートが呼ばれブレーンストーミング。43回東京総会ざっと120人。これまでオランダのビルダーバーグ、スイスのダボス会議と並び世界の経済、金融、秩序に大きな影響を与えてきた。TCは俗に「影の日本政府」といわれ、番記者がメディアコントロール。しばしば煮え湯を飲まされる。一方、CFR(外交問題評議会)が「影の米国政府」といわれ、TCとメンバーが重なるだけに峠を越した存在。今後戦国の様相という。欧米、日本も求心力を失い、世界が多極化しているためで、TC自体これといった後継者もなく「同窓会」レベルとの酷評もある。ひところマフィアといわれたがオープンになったものだ。聞くところに因ると、米国では1%のパワーエリートが逮捕されるか、経済が破綻するか瀬戸際という。4月20日This time is different と述べたが、Same as usual 。今回は違うと思ったが、従来と同様という意味。抜かりなく駒を進めるところだ。22日の晩餐会に姿を見せ、挨拶した首相は「ここ数年もっとも賢明」(ワシントンポスト)と持ち上げられ、30日の日米首脳会談でも乗せられたまま。原発再稼働が仙谷由人なら、消費増税も財務省のいいなり。古川元久が仙谷の領袖「凌雲会」のメンバーで伸び悩んでいる。要するに、3日ECB金融政策、4日米雇用統計発表、7日ギリシャ総選挙・仏大統領選開票待ち。あく抜けが迫ってきた。
日経平均は169円安。後場一段安となり、9350円の引け。出来高16億4900万株、売買代金1兆1500億円。一時円ドル79円60銭台をつけ、前日NYの79円74銭を抜いたのが響いた。値を保ったのは、持ち駒で■■■■■■■(****)、■■■(****)程度。軒並み安い。2日も尾を引きそうだ。■■■(****)は14万1000円だが、■■■■(****)、■■■■(****)が堅調で、ペプチドワクチン関連買い下がり。■■■■(****)を筆頭に■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■(****)など航空機関連然り。初押しをモノにするところだ。夏場まで原発再稼働を巡り、幻の経済成長を見込む相場が残るとみられる。しかし、先行ききつい。20年デフレで中小企業がぎりぎりまできた。蓄えが底を尽き、発注減により借金が返せない。周囲も大変なことになっている。この危機を政治家、官僚、大企業もわかっていない。中小の倒産が急増すれば大に及ぶのも時間の問題。4、5月乃至6、7月の二の矢、三の矢はわれわれ自身のもの。来年のGW、矢が尽きるといわれている。(了凡)