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企業レポート

専ら前向き 福島印刷 10月18日 (2024.10.17)

中長期チャンス到来 
行政のデジタル化が最大の材料
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 福島印刷(7870)は転機。2024~25年踊り場。中長期チャンス到来だ。新年度以降、BPO(ビジネスプロセス・アウトソーシング)拡大が見込まれ、10月の郵便料金値上げがきっかけ。ハガキ需要シフトをはじめ改正戸籍法施行や自治体基本業務オンライン化など通知物ニーズ拡大によるもの。具体化次第で最新鋭印刷機導入も伝えられる。21年8月期を最高益に調整3年。延べ10年先行したIPDP(事務通知)の先行投資がベース。DMDP(販促)と並び次の段階を迎える。紙媒体の落ち込みが予想以上で原材料の供給や価格高騰、競争激化が尾を引く中、新たな光明を見出した。延びのびになった行政のデジタル化が最大の材料。自治体のBPOに相当し、22年10月の地方公共団体情報システム標準化基本方針(閣議決定)が発端。25年度末までに税や年金など政府のクラウド上に移し、自治体ごとばらばらなシステムを改める。これに伴い自治体の基幹業務がオンラインで結ばれ、業務の効率化や情報システム運用経費の削減を図るのが主旨。同社は通知物に定評があり全国レベル。次の山が見えてきた。一方、セキュリティー強化やシステム投資に伴う償却、人件費などコスト負担増が泣きどころ。規模拡大をよしとして、提携先のNTT印刷、廣済堂(7868)と次の一手も注目される。その点、23年5月に社長交代を発表し後日経営陣を一新。松井社長(50)が矢面に立った。下畠会長(68)の10年を引き継ぐもので、ともに長期信頼が軸足。踊り場のさなかで活気もうかがえる。算命学で同社の社運をたどると、25年直近3期のツケが残る見込み。翌26年から30年にかけて日の目。ツケを清算し巻き返すと出ている。これに対し、松井社長はポジティブ。25年明るく元気に石橋を叩いて渡る。みんなから愛され世渡り上手という。このため、前期2度修正を発表したのに拘らず専ら前向き。第1四半期発表(昨年12月22日)が楽しみだ。
 2025年8月期(非連結)は、売上高67億1600万円(0.3%増)、営業利益2900万円(64.3%増)、経常利益2300万円(42.0%増)、純利益1500万円(161.2%増)の見通し。配当10円(中間5円)を据え置く予定。印刷業界の現状を物語るもので厳しい。しかし、前途に光明を見たのも確かで取引先TOPPAN(7911)のように脱皮を期待できる。1月能登半島で地震、9月豪雨に見舞われた地元も奮い立つに違いない。

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