不動産事業に定評 矢作建設工業 6月4日 (2024.06.03)
建設の工業化ユニーク
リニア経済圏以上に事業拡大も
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矢作建設工業(1870)は連結一服。前期4年ぶり最高益を更新し中期計画途上。一段とスケールアップが見込まれる。2025年度を足場に30年度連結売上高2000億円が視野に入った。直近3年計275億円先行投資(計画5年約300億円)を実施。愛知県大府市と東海市計約7万坪の産業用地開発を目玉に不動産事業がリード。規模の上で中堅ゼネコンだが、営業利益準大手クラス。前期、鹿島(1812)の営業利益率5.1%に対し同社7.9%。建築や土木と並び、不動産事業に定評がある。顧客や地域の抱える課題を解決するほか、新たな価値を提供し社会の持続的発展に貢献。東海圏にとどまらずリニア経済圏にも事業を拡大する見通し。同社は3大都市圏で名古屋の伸びしろが一番大きい。前回述べたように、コロナで見直された「2030年名鉄名古屋駅再開発」も1941年の開業以来。アクセスがリニアや中部国際空港と連動するもので、24年度の見直しが新たな材料。名鉄をはじめ近鉄、日生、百貨店やホテル、地下街などプラスマイナス大きな影響を受ける。このほか、名古屋駅前と並ぶ中心部で栄の再開発案件も目白押し。4月に中日ビルが開業したほか、栄広場や三越、松坂屋、スカイル、興和ツインタワー、リッツカートンなど懸案の再開発案件目白押し。さらに、市場拡大が予想される。デフレからインフレの潮目にさしかかり、トリプル安が後退するとトリプル高も考えられる。このため、主力の建設事業がICTや建設DX推進により生産性向上待ったなし。提案やコスト競争力を促すためで、既存・新規事業揃ってハイブリッド型が現状。トヨタ(7203)の成功が参考になりそうだ。矢作(やはぎ)の矢竹は、神代の昔矢作川流域に群生し、日本武尊が矢作川をはさんだ戦いに勝利した伝説から地名になったという。オーナーのルーツが豊田市竹生(たきょう)町で建設の工業化を目指したところがユニーク。算命学によると、2024年社運絶好調でオーバーワークに注意。いつでもどこでもまっすぐ前向き。物心ついた時からわが道にこだわり失敗も人一倍多い。しかし、出世や成功することも多い。名鉄(9048)、同社長も同運で24年から右肩上がり。29~30年万事うまくいく最高の時期という。同社の高柳社長(62)が24年知恵と知識で暗がりに光を放ち、副社長(65)も同運で役者が揃った。この上、リニア経済圏以上に事業拡大も考えられる。
2025年3月期(連結)は、売上高1400億円(16.8%増)、営業利益82億円(13.8%減)、経常利益同(14.5%減)、純利益54億円(16.4%減)の見通し。75周年で20円増配し80円配当(中間40円)を表明した。前期最高で目標達成感が残るものの底堅い。何より、建築が物流施設をはじめ複数の大型工事を獲得し受注高1020億円(59.3%増)。北和建設を連結子会社に迎え「複線化」のきっかけをつかんだ。ポジションが上がったのも事実で、24~25年こなすと26~27年拍車がかかる。事業100年の道筋が見えた。やってのける公算が大きい。※11月07日発表予定の決算にご注目ください。