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企業レポート

新たな一歩踏み出す ダイセキ 5月21日 (2024.05.20)

アンモニアを吸着・回収 
廃棄物ゼロ目指し創業者の使命全う
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 ダイセキ(9793)は反転。前期連結最高益を更新し一服。新たな一歩を踏み出した。3月稼働した広島に続き他2拠点検討中。3つの新規事業確立など6項目が骨子。「VISON 2030」の進捗等によるもので、前回述べた名大発のベンチャー企業と連携し、排ガス・廃液の中からアンモニアを吸着・回収する共同研究が緒についた。アンモニア(NH₃)は窒素を含む化学製品の原料で大量に使われ、最近CO₂を輩出しない燃料として貴重な存在。開示によると、2031年2月期の売上高30億円(27年2月期同3億円)の見通し。MOF(吸脱着材)を選択的に回収すると高採算につながりそうだ。22年12月締結した愛知県蒲郡市との連携協定で、家庭の一般廃棄物を分別・破砕して不燃物を除去。バイオマス燃料生産の実証実験(24年2月)も進行中。同売上高25億円の見込み。さらに、23年4月滋賀県の杉本商事Gが連結子会社ソリューション(1712)のグループ入り。このため、一般廃棄物と廃プラスチック・段ボールリサイクル事業拡大。同売上高28億円が見込まれ業界再編に弾みがつきそうだ。コア事業の国内シェア25.3%(24年2月末)。30%を視野に第1四半期確りだ。全国の産廃排出量を見ると漸減の傾向。再生利用が増加したと考えられ、関東が全国の4分の1。資源の効率・循環を促し廃棄物ゼロを目指す「サーキュラーエコノミー」に移行した。由来、静脈産業といわれ、生産や消費関連など動脈産業との連携によりサーキュラーシフト。拠点分布を見ると、国内3大都市圏のほか北陸、九州に地歩。この上、東北と北海道に構え全国展開。海外にも広がりそうだ。創業者の使命を全うするもので、何よりグループの設備投資加速。今期連結88億9000万円(前期52億5400万円)、償却34億6800万円(同28億6500万円)の計画。ROE15%、人的資本、数値目標にも言及。従来にないスタートを切った。一例が、連結子会社ソリューションが今期から5年資源循環事業に100億円投資。新工場や新事業、M&Aなど多彩な展開が見込まれる。
 2025年2月期(連結)は、売上高656億円(5.2%減)、営業利益140億円(5.5%減)、経常利益141億円(8.7%減)、純利益87億円(8.0%減)の見通し。配当66円(中間33円)を据え置く予定。環境省によると、ひところ捨てる前提の大量生産・大量消費・大量廃棄から時間をかけるリサイクル。廃棄物ゼロを目指す資源の効率・循環利用がサーキュラーエコノミーの解。川上から川下まで俯瞰した展開が求められる。算命学によると、24~25年不意の落ち込みに注意。26~27年これまで最大のチャンスと出ている。山本社長(59)は好調のど真ん中で大活躍。ポジションが上がる旨に変わりない。名古屋市の小学校副教材に同社が掲載された。「小学生のためのお仕事ノート(2024年版)」。3年生を対象に廃棄物のリサイクルや働く人の声に社員も登場している。※10月1日発表予定の決算にご注目ください。

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