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企業レポート

記憶に残る場面 マキタ 4月9日 (2024.04.08)

逐一バランス取り戻す 
在庫調整がヤマを越し巻き返し
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 マキタ(6586)はあく抜け。直近10年急成長に対し急停止した反動。逐一バランスを取り戻した。コロナやウクライナ・イスラエル戦争に世界的な金融引き締め、米銀破綻、中国の不動産バブル崩壊など収束困難。住宅需要の低迷と建築・建設市場の投資抑制を受けたもので24~25年パートⅡ。開発面でハイパワー・長寿命・高耐久「40Vmaxリチウムイオンバッテリー」(XGT)シリーズの電動工具・園芸用機器をはじめ充電製品のラインナップ拡充。生産面ではあらゆる製造工程のムダとコストダウン活動に努め、各工場の取り組みを他工場に横展開。営業面でも地域・顧客密着のサービス体制レベルアップ。さらに信頼関係強化に努め、充電製品を軸とした市場の深耕・開拓に取り組んでいるのが現状。このほか、頻発する風水害や気象変動に対しカーボンニュートラルの取り組みも活発。電動工具に次ぐ事業の柱として排ガスが出ない充電式園芸用機器に注力し脱炭素社会の実現に意欲。GHG(温室効果ガス)排出量削減に向けてGHG排出量(Scope 2)を2030年まで20年度比50%削減。40年度まで実質ゼロにする計画。国内外混乱が伝えられる中で一向に動じない。むしろ、ピンチがチャンス。失敗を糧に改良・改善しシェア上昇に邁進。直近2期、新冷戦の需要変化を大半織り込み、減収、減益、在庫調整などコストアップを吸収する上で体質強化につながった。直近の連結財政状態によると、前期の第3四半期親会社所有の帰属持分比率82.8%(直前期70.0%)に上昇。販売が予想以上に厳しい需要環境を受けて低調に推移したものの、為替レートが想定より増収・増益方向に振れ上方修正。どんな事態であれ前向きに取り組み結果を出した。ウクライナ戦争が長期化する中、隣接するルーマニアの工場が昨年9月累計生産台数5000万台を記録。07年4月生産開始から21年9月4000万台を数え、その後急激な情勢変化に見舞われながら欧州の中核工場として全社一丸乗り切った。1995年7月に生産を開始した中国の昆山工場然り。17年9月累計2億台に乗せ、その後コロナやロックダウン、工場の操業停止などこなし5年後3億台乗せ。見上げたものだ。前回述べたように、国内129ヵ所(23年4月現在)、世界50ヵ国に直営の営業拠点を持ち約80ヵ国で製品を販売。海外従業員比率8割強。アフターサービスを通じて取引先との関係を大切にしている。最近発売された充電式ハンディチェーンソーが人気なほか、圧倒的な40Vmaxシリーズに手応え。コードレス電子レンジが予想外のヒットという。顧客本位が受けており、利益は後からついてくる。在庫調整がヤマを越し巻き返しにつながりそうだ。
 2024年3月期(連結)は、売上高7100億円(7.2%減)、営業利益590億円(108.9%増)、税引前利益560億円(134.4%増)。親会社の所有者に帰属する当期利益395億円(237.5%増)に見直した。配当中間10円、総還元性向35%以上。設備投資220億円(前期390億円)、償却250億円(同217億円)、研究開発費155億円(同149億円)の計画。4月26日決算発表の予定。算命学によると、24~25年絶好調。不意の落ち込み注意。会長(77)、社長(48)が同運で地上に降りた天使。もっと大きくなりなさい。記憶に残る場面になる。※10月30日発表された決算及び業績予想にご注目ください。

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