新年度弾み 大同メタル 3月22日 (2024.03.21)
次のステップを目指す
トライボロジーに没頭し世界№1
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大同メタル工業(7245)は連結反転。四半期ベース尻上がり。新年度弾みがつきそうだ。期中、半導体の供給不足解消が主因。主力の自動車用エンジン軸受をはじめ非自動車用、その他軒並み増収。採算も改善している。新中期計画(2018~23年度)がコロナ禍、ウクライナ・イスラエル戦争などに阻まれ消化難。ピンチを乗り切っただけにチャンス到来。3月に金融が正常化しデフレ脱却へ一歩進んだ。現在、同計画を見直し次のステップを目指す構え。グローバルで軸受シェア№1を目指すもので、あらゆる事業が対象。電動車用アルミダイカスト製品の販売拡大や風力発電機用軸受の市場開拓でも知られる。前回述べたように、多種多様な産業分野を支えるすべり軸受の市場でトップレベル。「トライボロジー」(摩擦・摩耗・潤滑)技術に優れ、世界シェア№1を巡る豊富な実績に定評がある。これまで、既存事業磨き上げに新規事業の創出・育成、強固な基礎確立、組織・コミュニケーション活性化が4本柱。どんな事態に置かれようと正攻法を通し、グループで揺るぎない体制をつくるのが真骨頂。昨年12月、中国国有造船最大手傘下の企業から優秀サプライヤー賞を受賞している。記憶に残る材料だ。第3四半期の概況を見ると、自動車用軸受以外部品がセグメント損失17億5600万円で改善余地十分。前年同比23.2%増収だけに将来楽しみだ。2022年歴年のデータによると、前年に続き自動車エンジン用半割軸受シェア36.7%で世界トップ。大型船舶エンジン用軸受に限れば73.0%という。いずれも同社推定だが、「トライボロジー」に没頭しているのが魅力。新規事業の育成然り。グリーンビジネスの一環として風力発電機用軸受の市場開拓に取り組んでいる。22年春、「風車技術研究所」を立ち上げスピードアップ。本格的だ。このため、グループに一体感が生まれ活気もうかがえる。
2024年3月期(連結)は、売上高1280億円(10.8%増)、営業利益47億円(66.4%増)、経常利益42億円(44.3%増)、純利益12億円の見通し。昨年11月9日の修正予想によるもので、配当10円(期末8円)の予定。設備投資77億円(償却91億円)の計画。巻き返しが緒についた。算命学によると、好調のど真ん中で大活躍。自分で道を切り開き、さまざまな苦労を乗り越えてポジションアップ。23~25年好調のさなか手本になるという。判治会長兼社長CEO(82)も同運。弾みがつくのも時間の問題だ。直近の時価総額326億円(連結純資産750億円)。PBR0.5倍に過ぎない。国内のほか、海外でも残存者利益が取り沙汰される時代の変わり目。自動車分野を中心に船舶・建設機械・一般産業など、あらゆる産業分野における世界で唯一の「総合すべり軸受メーカーとして」、持ち前の実力を発揮する時がやってきた。