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企業レポート

巻き返しあく抜け 旭化学工業 11月21日 (2023.11.20)

恵まれたポジション 
事業再構築4本柱カウントダウン
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 旭化学工業(7928)は巻き返し。2024、25年あく抜け。カウントダウンに入った。直近2期連結最高益の反動を吸収。逐一収益改善が見込まれる。人材の育成と発掘、新技術・省人化によるコスト削減、環境問題に向けた本格的な取り組み、新規事業開拓が4本柱。事業再構築に舵を切った。コロナをはじめウクライナやイスラエルを巡る地政学的材料によるもので、主得意先マキタ(6586)とトヨタグループの影響が大きい。21年10月に中国の連結子会社第3工場建設(3割増強)を発表する一方、2年後やむなく延期を表明。算命学によると、飛べない龍になった。天が見捨てたわけでなくもっと大きくなりなさい。成長の機会を与えられたという。事実、21~22年日の出の勢い。当時連結売上高の約7割占める電動工具と同2割の自動車部品が活況。国内のほか中国、タイも人手不足となり、中長期連結売上高300億円、海外80%超が構想の一端と伝えられた。マキタの電動工具充電式とコードレス化にOPE(園芸機器)の将来性、トヨタグループの全方位ハイブリッド経営が国内外で評価されたもの。しかし、中国が22年3月28日から約2ヵ月上海のロックダウン(都市封鎖)に追い込まれ、同6月1日解除されたものの、7月以降海南省や広東省、北京市などに拡大。コロナ前まで前年比8%ペースで伸びていた小売売上高が10月再び前年割れ。不動産バブル崩壊と連動して中国経済減速が避けられなくなった。原材料や物流費の高騰もある。ところが、10月31日発表されたマキタの4~9月期連結5.5%減収に対し44.9%営業増益。11月1日トヨタの同連結も24.1%増収に対し124.2%営業増益。正念場をこなし殻を破った。在庫調整に価格改定、円安も主因といわれ同社にお鉢が回ってきた。自動車部品の場合、半導体不足の解消が手掛かり。マキタの電動工具も充電製品のラインナップが続き、2030年度OPEの温室効果ガス排出量50%(20年度比)が目標だけに時間の問題。書き出しで述べた事業再構築4本柱カウントダウン。来年世界40ヵ国で選挙あり、主取引先のマキタとトヨタグループが市場をリード。恵まれたポジションにある。24、25年全力で乗り切るところだ。
 2024年8月期(連結)は、売上高83億円(4.2%減)、営業利益1億3000万円(23.4%減)、経常利益2億4000万円(14.3%減)、純利益1億5000万円(552.2%増)の見通し。後半注目される。配当15円(期末10円)の予定。設備投資4億5500万円の計画。4本柱のうち、人材の育成と発掘が最大の見どころ。日本人のほかグループに中国人、ブラジル人、ベトナム人を同胞にひと皮むける場面。中国昆山に第3工場着工が次のステップとみられる。建築資材をはじめ自社製品の開発、改良、改善に注目したい。日本金型工業会で70%自動車産業が占める現状から、AIやIoTで30%標準化すると製造業の競争力が高まるという。算命学によると、杉浦社長(56)の2024年絶好調。オーバーワークに注意という。いつでもどこでも前向きの2代目運。継承し維持するだけでなく倍、3倍にする親孝行ぶり。マキタと同運だ。やるしかない。※1月12日発表予定の決算にご注目ください。

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