人材育成を優先 岡谷鋼機 4月17日 (2012.04.16)
ブラジルが将来を示唆
全部門増収で堅調な見通し
岡谷鋼機(7485)は続伸。堅調な見通し。前期3月26日の上方修正、4月6日発表した今期予想によるもので、リーマンショック、東日本大震災を通じて前向き。困難を吸収し全部門増収。失った流れを取り戻した。ことに震災、円高、タイ洪水等々自動車メーカーの操業ストップ、再開、挽回生産に呼応。主力の鉄鋼が前期連結2923億円(3%増)、今期同3120億円(7%増)の見込み。窮地に追い込まれた顧客の期待にこたえている。情報・電機、産業資材、生活産業然り。混乱に揉まれ採算の改善も目立つ。2月から円安に振れ足もと好転。予想以上とみられ「気持ちが悪い」(岡谷社長)ほど。為替は「動かない方がいい」と本音も窺える。28年ぶりブラジル再挑戦が新たな手掛かり。2014年ワールドカップ、16年リオ五輪が10、20年後の布石とみられ、前回猛烈なインフレで引き揚げただけに慎重。8月に現地法人を設立し、当初3人今期15億円(来 期25億円)の規模。海外18番目の拠点で同社の将来を示唆するものだ。前期アジアが連結売上高の15%、海外同78%を占め。取引先により減り張りがついている。今期の設備投資は連結21億円(前期32億円)止まり。債却37億円を連続下回るもので、現在人材育成が優先テーマ。真水で30%(前期26%)を目指す海外取引、技術革新と並び中期計画の骨子。前期で通過点(2013年度)の営業利益80億円を突破し今、来期追加点も考えられる。20年以上続いた円高デフレから円安インフレに転換。復興需要顕在化によるものだ。27日の日銀政策決定会合で踏み込んだ追加緩和が出る見込み。
2013年2月期(連結)は、売上高7300億円(7%増)、営業利益120億円(26%増)、経営利益130億円(16%増)、純益85億円(0.2%増)の見通し。配当24円(中間12円)を据え置く予定。1月4日述べたように人材育成が手掛かり。トレーニー制度拡充によるもので、4、5年先が楽しみ。海外取引は間接を含め50%以上あるが、直接取引で30、40%になると国内外こなれる。今年は安定運で来年、再来年上昇運。2019年(創業350年)が次の節目。16日895円で引けたが、今、来期相当な水準訂正が見込まれる。昨年12月完成したグループの六合エレメック新本社がエコビルとして話題。業績も堅調のようだ。