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企業レポート

正念場こなし殻破る マキタ 9月26日 (2023.09.25)

一回り大きな龍になる 
直近10年急成長急停止した効果
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 マキタ(6586)は連結計画線上。正念場をこなし殻を破った。第一四半期減収増益。在庫削減とインフレに伴う価格改定によるもので逐一改善。現地・現物対応が地についている。昨年来急激な需要変化に直面しコスト構造の課題が明らかになった。ピンチの次にチャンスがやってくる。世界の電動工具がエンジンから充電式、OPE(園芸機器)も充電式にシフトしているのが現状。従来なら年150~200億円の設備投資を直近3年400~600億円に拡大。OPEの売れ筋といわれる芝刈り機の需要拡大を視野に大規模な物流拠点構築に動いた矢先のこと。コロナ禍、ウクライナ戦争と同様に処理水も混乱が尾を引くとみられ、同社のビジネスモデルが見直される。後藤十次郎氏(1897~1978)由来のもので、電動工具やOPEに修理・アフターサービスがつきもの。国内129ヵ所(2023年4月現在)、世界50ヵ国に直営の営業拠点を持ち、約80ヵ国で製品を販売している。海外従業員比率8割強。アフターサービスを通じて取引先との関係を大切にしてきた。中長期チャンスを迎えること請け合いで次の100年(2115年)に向けて初動。直近2期、新冷戦の需要変化を大半織り込み、減収、減産、コストアップを吸収する上で体質強化のチャンスと受け止めた。一方、2005年業界に先駆けプロ向け充電式インパクトドライバーを発売。電動工具の小型軽量化、バッテリー長寿命化によるランニングコスト削減に傾注。設計から量産まで若手が担当し、ものづくりの醍醐味も伝わってくる。2019年40Vmaxシリーズ発売、22年エンジン生産終了。脱炭素・環境型社会貢献を打ち出し、人財育成、多様化、一体性などバージョンアップ。直近10年急成長に対し急停止した効果も大きい。何より開発がリード。バッテリー充放電・モーター技術で次々新製品を発売。脱エンジン・コードレス化が進み、一つのバッテリーで数多くの製品に使用できる高い互換性と豊富なラインナップが見どころ。OPEやクリーナ、保冷温庫、電子レンジなどアウトドアや電源確保が困難な災害時にも重宝する。最近発売された充電式ハンディチェーンソーが人気。手軽で本格切断、150㎜タイプが受けている。生産面で中国とルーマニアがびくともしないのに驚き。世界8ヵ国に拠点があり台数ベース約9割海外。中国で人財育成に取り組んでおり、災害や為替、地政学リスクに備えている。販売・サービス然り。国内外、業界一の拠点網が同社の真骨頂。地産地消を促すもので混乱時の在庫対応も念頭にある。財務の巻き返しも特筆ものだ。前期連結3.4%増収(69.2%営業減益)の反省。営業利益率10%を目安に適切な水準に戻すという。株主還元を見直し前期から年間配当20円を下限に総還元35%以上にした。8月31日まで253万株、100億円を上限に自己株を取得した。
 2024年3月期(連結)は、売上高6800億円(11.1%減)、営業利益550億円(94.7%増)、経常利益470億円(96.8%増)、純利益333億円(184.5%増)の見通し。配当は中間10円、連結配当性向35%以上。設備投資300億円(前期390億8800万円)、償却237億円(同217億2500万円)の計画。算命学によると、2024年絶好調。オーバーワークに注意。会長(76)と社長(48)が同運で地上に降りた天使。もっと大きくなりなさい。一回り大きな龍になるという。※1月31日発表予定の決算にご注目ください。

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