唯一日本が緩和を宣言 先送りの限界を念頭にホールド (2023.05.01)
前週末続伸。日経平均中陽線の引け。後場一段高になった。先物主導によるもので、4月28日ダウ276ドル高(前日524ドル高)に呼応し強面の地合い。GW明け高いという。日銀が政策決定会合で大規模緩和続行。1年から1年半レビュー(分析)実施など表明。1ドル136円台の円安に振れ買い戻しに跳ね上がった。3月の米銀破綻を受けたもので、プライムの騰落レシオ137.49%。行き過ぎの反動が見込まれ、5月3日FRB議長会見、10日米CPI発表にかけて乱高下。持ち高調整の売りが待ち構えている。ウォール街の場況によると、4月28日メタ、コカ・コーラ、マイクロソフト。29日インテル、ディズニー、キャタピラーなど一部の典型的な金持ち相場。決算発表で地力を見せる指数採用銘柄を手玉に相場の振り付けがうかがえる。同28日入手した情報も興味深い。シリコンバレー銀の場合、金利急上昇を受け同行が預金を使って大量に購入した国債の時価が急落し預金流出によるもの。他行も価値の下がった債券を保有し氷山の一角に過ぎない。FRBの試算で政府、企業、家計の抱えている債券が2009年以降90%増加。68兆ドルにのぼる。2007~09年の金融危機で短期資金を借り入れ不動産担保証券に投資する「シャドーバンク」が問題の発端。今回厳しい規制で未然に防いだものの、銀行が金融システムの弱点とわかり驚いた模様だ。スマホの取り付け騒ぎも前代未聞。シリコンバレー銀に次ぎドイツ銀が槍玉に上がり懸念された。しかし、第1四半期金利上昇で増益を発表し取り付けなし。一部預金流出を認めながら4月に反転。スイス政府はクレディの激安身売りを画策したが、その後1週間足らずでドイツ銀の株価急落。すんでのところ犠牲を免れた。市場が再建計画と経営陣に信頼を寄せた旨見直された。中長期セルインメイ(5月に売れ)、バックインセプテンバー(9月に買え)で辻褄が合うはずだ。何しろ、米国債の逆イールド1981年以来。さらに、0.5%利上げ織り込んでもハードランディングを示唆。6月に債務上限問題がヤマ場を迎えるだけに金融政策だけでしのげない。42年に1度となり天王星の公転周期(84年)でも折り返し地点。1998年から25年緩和政策をやむなくされた日銀の政策転換に見合うわけだ。世界の現状をひとことでいえば時間稼ぎ。先送りの限界を念頭にホールド。唯一緩和を宣言した日本に資金が集まってくる。4月28日の日銀会見通りなら、市場もじっくりレビューに向き合うところだ。
日経平均先物によると、直近大証ミニ2万9065円(+0.68%)に対しラージ9070円、シカゴ9065円。現物より209円高い。ダウ先物3万4209ドル(+0.83%)。同111ドル高い。VIX恐怖指数15.78(-7.34%)、WTI原油先物76.63(+2.50%)。金先物1999(+0.02%)、ビットコイン円4,000,824(+0.11%)。
4月28日の日経平均398円高。大引け2万8856円。TOPIX2057(+24)。プライムの出来高15億8700万株、売買代金3兆7700億円。値上がり1659(値下がり155)。10年債0.385%(-0.070)。米10年債3.422%(-0.107)、上海総合3323(+1.14%)、香港ハンセン19,894(+0.27%)、インドNifty18,065(+0.84%)、ロシアRTS1033(+0.89%)。マザーズ745.24(+1.01%)。値上がり率ランキングによると、関係分で■■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■(****)など。唯一日本が緩和を宣言した。(了凡)