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企業レポート

通期の収益高水準 名古屋電機2月21日 (2023.02.20)

検査装置事業を譲渡 
年度末の受注如何で飛び出す公算も
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 名古屋電機工業(6797)は比較的確り。第2四半期下方修正に拘らず通期の収益高水準。反転の足場を固めた。昨年10月、検査装置事業を同郷のテクノホライゾンに譲渡。関連費用2億7300万円を特損に計上し懸案一掃によるもの。1987年から35年続いた事業。2013年プリント基板のはんだ不良や部品のずれ、異物を自動的に判別する検査装置が語り草。トヨタテクニカルディベロップメントと共同開発したカメラアレイ式画像処理がトヨタ(7203)から技術開発賞を授与された。以来約10年伸び悩み、コロナ禍同事業譲渡で決着がつき胸のつかえが下りた。このため、主力の情報装置に経営資源を集中。直前期連結最高益を計上し10年先の初動と述べた。国土国交省が2022年度予算要求概要で新技術・新サービス導入に意欲。DXやカーボンニュートラル、AIにロボット、自動運転実用化を視野に最新バージョンを打ち出したのに市場が反応。老朽化したインフラ大規模改修の走りが出た。しかし、前期から情報装置の工期繰り延べや部品調達に支障が出始め収益足踏み。X線検査装置、3次元基板外観検査装置も低迷をやむなくされたのが現状。むしろ、吹っ切れた。30年続いたデフレがインフレに移行し国やNEXCO各社の取り組みも前向き。中長期トラック不足、物流需要増に備えAIによる渋滞予測、ドローン、ロボット、車両搭載カメラ支援など課題山積。情報装置の事業拡大と人材育成が急務になった。10年前、連結売上高144億円・営業損失10億円に喘いだ経緯から様変わり。2017年トップ交代、18年インフォメックス松本と連結開始で息を吹き返した。何より、服部社長(46)を中心に上場(2000年)後入社した若手が10、20年先の伸びしろ。人口動態に伴うボーナス期に相当し連結売上高300億円で収まらない。名神(1963)・東名(1968)開通から半世紀余り。リニア開業と相俟ってインフラ更新待ったなし。30年横にはった分立つと大きい。コロナやウクライナ危機にも動じないポジションで興味深い。いち早く昨年ベア3%に踏み切り強気だ。直近の株価指標によると、時価総額101億円(連結純資産177億円)。配当利回り4.43%、PER5.99倍、PBR0.52倍、EPS263に過ぎず無借金。中長期BPS3000どころでない。世界でITS(高速道路交通システム)の市場規模が2021~28年にかけて7.0%拡大といわれ、更新需要もついて回るためだ。10、20、30年後も「業界初」のDNAが受け継がれる。
 2023年3月期(連結)は、売上高189億8000万円(9.29%増)、営業利益24億9000万円(5.0%減)、経常利益同(7.3%減)、純利益15億4000万円(22.6%減)の見通し。10円増配。期末70円配当の予定。6月の横浜国際消防・防災展を口火に展示会再開もあり明るい。算命学によると、23年エネルギー全開で行動できる。現実をかき分け進むイノベーター。抜群のスタミナに恵まれ大衆の星という。服部社長も上昇運で追い風。夢が現実になり数年後人生最大のチャンス到来。持ち上げている。前期末の連結受注高201億1600万円(2.6%減)、同残高172億0400万円(34.4%増)と高水準。中日本高速道路と国土交通省中心に確り。年度末の受注如何んで飛び出す公算もある。

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