楽観できないのも事実 唯一注目される日本のポジション (2022.11.29)
週明け続落。日経平均小陰線の引け。後場下げ渋った。前週末ナスダック安、中国のゼロコロナ抗議行動を受けたもので、買い戻し一巡後模様眺め。5日線2万8177円と25日線2万7706円が上向いたまま底堅い。10月をピークに世界のインフレが峠を越したといわれ、12月2日米雇用統計(11月)、同13日米CPI(同)、同14日FOMC発表待ち。ブルームバーグによると、FRBは利下げに舵を切ったわけでなく引き締めが続くという。米国債市場が長期的な金利低下を見込むリセッショントレードとなり消化難。統計が遅行指標で前に進まない。28日入手した情報が興味深い。今回の仮想通貨崩壊に欠けているのが銀行の存在。主要債権者の中に銀行が見当たらない。3兆ドルにのぼる資産が一挙70%暴落。著名な仲介業者が破綻しても金融システムに影響ないという。一方、工場渡し価格や輸送料、商品価格など上昇が鈍化。世界的なサプライチェーンに対し価格圧力も緩和。今後数ヵ月でインフレが終息する見通し。ムーディーズいわく、世界のインフレは10月12.1%でピーク更新。CPI最高をつけた。タイやブラジル、チリで下落に転じエマージング全体でもピークアウト。ドイツで10月の工場渡し価格が9月から4.2%下落。1948年以来最大の落ち込みという。来年以降デフレを示唆するもので、主要国で唯一デフレ脱却を目指す日本が一線を画した動き。再任された日銀総裁の任期が来年4月8日だけに、アベノミクス巻き戻しを織り込みインフレ、円高に振れる公算が大きい。ダウが10、11月予想以上に戻し、ブラックフライデーが終わった矢先、来年に向けて米景気の減速懸念が根強いという。ウクライナ危機にしても、開戦で経済が上向いても戦後反動を避けられない。日清・日露・太平洋戦争然り。例外が朝鮮・ベトナム戦争。米ソ冷戦によるもので日本が漁夫の利。今回、米中対立とロシア侵攻に伴う新冷戦で2度目。大国の代理戦争に加担するもので米国の前線補給基地といわれる。尤も、どちらが勝っても戦利品なし。双方財政、経済が底割れし持ち出しも考えられる。米国のCPI上昇頭打ちに対し、バイデン政権が強引に5月以降半年で石油の戦略備蓄を1.8億バレル放出したのが主因という。新冷戦にせよ、開戦で儲けても停戦でつかまるのが落ち。当事者のみならず戦後反動が長期化。世界中混乱に見舞われる。主要国で一線を画す日本のポジションが注目される所以だ。
日経平均先物によると、28日大証ミニ2万8145円(-0.05%)に対しラージ8140円、シカゴ8145円。現物より18円安い。ダウ先物3万4172ドル(-0.54%)。同175ドル安い。VIX恐怖指数22.26(+9.01%)、WTI原油先物74.05(-2.92%)。金先物1756(+0.17%)、ビットコイン円2,250,966(-2.25%)。
28日の日経平均120円安。大引け2万8162円。TOPIX2004(-13)。プライムの出来高11億3200万株、売買代金2兆5500億円。値上がり507(値下がり1272)。10年債申さず。米10年債3.678%(-0.007)。上海総合3078(-0.75%)、香港ハンセン17,297(-1.57%)、インドNifty18,562(+0.27%)、ロシアRTS1121(-1.70%)。マザーズ801.23(+0.20%)。値上がり率ランキングによると、関係分で■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■(****)、■■■■(****)など。楽観できないのも事実だ。(了凡)