もう一皮むける ダイセキ 11月16日 (2022.11.15)
中長期スケール大きい
VISION 2030実行段階
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ダイセキ(9793)は後半連結確り。6月30日の下方修正を踏まえ反転目前。中長期ビジネスチャンスだ。製造業の国内回帰にインバウンド再開、インフレが見込まれるなど32年ぶり。デフレで横にはった分スケールも大きい。2008年リーマンショック、20年コロナ危機にも鉱工業生産指数を上回る持続的な収益拡大を実現している。数年後国内景気が上向くとみられ、事実上1年早く計画(2030年度連結売上高1500億円・営業利益250億円)を上回った22年2月期が初動。今期単体がピーク更新で折り返し、連結子会社(2)が計画を下回るものの後半持ち直す運び。10月31日発表された鉱工業生産指数を見ると、9月98.6(-1.6%)、10月見込み98.2(-0.4%)、11月同99.0(+0.8%)など反転途上。「緩やかな持ち直しの動き」に変わりない。同社の場合、4月5日トップ若返りを表明。同26日代表取締役会長逝去、5月26日前社長退任などグループ挙げて新体制。18年6月公表した「VISION 2030」が逐一実行段階にある。3つの新規事業拠点開設、3つの主力事業確立、国内シェア30%を目指すなど意欲的なもの。当初石油部門主体、産廃中間処理参入、さらにリサイクル処理拡大・グループとして成長し最大のチャンスをつかんだ。廃油や廃水など液状系処理中心にリサイクル率90%。再生重油や補助燃料、セメント原料、非鉄リサイクルにも取り組み、国内のみならずアジア№1を打ち出した。CO₂削減を目指すリサイクル燃料の需要増を見越し設備投資活発。19~21年関東や九州を増強したほか22年以降も毎期50億円規模を投入。首都圏南事業所具体化が懸案になっている。2012年2月期の連結売上高365億円、営業利益57億円に対し、22年2月期同568億円、同129億円。10年で55%増収、営業利益2.26倍と尻上がり。リーマンショック、コロナ禍をあるがまま受け入れ改良・改善に取り組んだ。製造業なしに国の発展を見込めないことも事実。この上、米利上げや株安、ウクライナ危機を通じてもう一皮むける見通し。製造業の国内回帰が何よりでインバウンド、インフレの影響も大きい。回転ピッチが上がるためだ。
2023年2月期(連結)は、売上高590億円(3.7%増)、営業利益136億円(5.0%増)、経常利益137億円(4.4%増)、純利益85億円(1.4%増)に見直した。配当60円(期末30円)の予定。設備投資83億円(前期40億3800万円)の計画。前向きだけに上方修正を期待できる。同社の運勢によると、23年夢が現実になり27年最大のチャンス。頑張るほど追い風が吹くという。山本社長(57)も上昇運で23年「うだつを上げる」年。中長期好調で23年ひとつ目の山。未知の世界に関心がある。11月6~18日、国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)バーチャル・ジャパン・パビリオンに出展。「産業廃棄物リサイクルと再生燃料」をテーマに、2050年カーボンニュートラルの実現と世界の脱炭素化を支える趣向だ。国連も後押し。来年から楽しみだ。※4月5日に発表された決算にご注目ください。