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企業レポート

設立当時に匹敵 旭化学工業 11月8日 (2022.11.07)

来年うだつを上げる時 
ピークを更新し待ったがかかった
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 旭化学工業(7928)は正念場。設備増強に踏み切った矢先生産調整。少なくても来年前半尾を引きそうだ。10月28日マキタ(6586)、11月1日トヨタ(7203)の決算発表が決め手。事実上の主得意先で電動工具6割、自動車部品3割を占め影響が大きい。前期善戦し下方修正した7月8日以降持ち堪えていたが、年明け金利高止まりにドル高、中国ロックダウンもあり和戦両様。何が起きても乗り切る構えだ。マキタが通期連結0.1%増収、56.4%営業減益に対し、トヨタは同14.7%増収、19.9%同減益の見込み。来年も厳しい情勢に変わりないが、日本企業の国内回帰やインバウンド、アベノミクス巻き戻しを通じてインフレに転換しビジネスチャンス。顧客の期待にこたえる上で人的スキルの向上、生産工程見直し、環境負荷低減など意欲的。20年以上前から外国人正社員(グループ全体で約6割)を積極的に採用し、海外工場で女性社員の役職者が活躍している。気になるのが設備投資。成形機中心に国内2億6200万円、中国5億6200万円、タイ5100万円の計画。遅れが懸念される。業績が2021年8月期ピークを更新し待ったがかかった。来年から10年、国内外雌雄が決まる見通しだ。同社の場合、長期売上高300億円。海外売上高80%超を目指す構想に変わりない。これまでマキタとトヨタが認めている証拠で、前期タイが黒字化目前となり尚更だ。日本金型工業会によると、事業所数が1990年1万3115をピークに半減。従業員も91年11万8213人に対し同7割の水準。100人以上が1.3%で生産高の3割を占める。自動車用が7割以上でEV化を加味すると寡占が進む見通し。同社の運勢を見ると、23年「うだつを上げる年」。波乱を吸収するたび幸運に恵まれ、ひとつ目の山にピーク到来。ふたつ目で盛り上がる3年間引き立てられ、前へ上へ押し上げられるという。杉浦社長(55)は、あるがまま受け入れ我で固まった殻を破る。馬力・行動力ナンバーワン。一歩間違えば奈落の底。試練を乗り越えはい上がるのが業という。来年、肝腎なところだ。
 2023年8月期(連結)は、売上高108億円(0.7%増)、営業利益5億7000万円(8.2%増)、経常利益5億9000万円(10.9%減)、純利益4億円(2.8%増)の見通し。配当26円(期末16円)の予定。来年1月中旬9~11月期発表の運び。落ち込んでいられない。前回、21年8月期を初動に10年先のアタリと述べた。マキタやトヨタに限らず調整一巡後本格化。同社も設備投資を再開する時がくる。10年前の連結売上高62億円に対し21年8月期同104億円。67%伸びた。同営業利益3億9300万円に対し同8億0600万円。倍以上伸びた。リーマン危機とコロナを加味したもので、これから10年本物。マキタやトヨタが鞘を納めるはずがない。現在、同社が1966年に設立され、67年日用雑貨品から自動車部品、69年マキタと取引を始めた当時に匹敵する。うだつを上げる時がきた。

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