反転した矢先に大震災
前半落ち込み後半取り戻す
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東海ゴム工業(5191)は一服。踊り場にさしかかった。前期反転した矢先に大震災。連結売上高の8割を占める自動車減産、電力供給制約、円高など依然予断を許さないためだ。5月12日の決算発表から今日まで業績、配当予想も白紙のまま。震災後、980円(1株当たり連結純資産1395円)を中心値にもみ合っている。この間、好転したのも事実。トヨタが6月に9割操業(当初5割)を掲げ他の大手メーカーも追随。急ピッチな回復ぶりに通常操業の期待が高まってきた。早ければ6月21日の総会、遅くても1Q発表(予定7月28日)までに開示の見込み。自動車の場合、待機需要をこなし前半の落ち込みを後半取り戻すと考えられ、一巡すると次期から正念場。同社は07年策定した中期計画を昨年見直し、12年度の連結売上高を3200億円(当初4000億円)に修正したが、実現の鍵を握るのが震災対応。しかも1、2Qが今、来期を左右するとみられ、国内、海外(前期連結39%)ともに緊迫した場面。直近も5月に中国で3社合弁のプレス金型製作会社を立ち上げたほか、節電対策、震災ボランティア支援、ドイツ駐在員事務所設置など活発な動き。一にも二にも「自動車がどうなるか」(西村社長)ヤマ場を迎えつつある。
11年3月期(連結)は、16%増収、55%営業増益、71%経常増益、純益2.7倍。純益(災害特損12億円)を除き計画を上回った。ピーク(08年3月期)に対し、売上高87%、営業利益で68%の水準。09年(創立80年)が節目になっている。配当は期初14円から15円(期末8円)になった。12年3月期(連結)は、前期並みを目安に次期につなぐところ。一般産業用品もプリンターや建機など持ち直し、何ら悲観するに当たらない。社運を調べると、今年前半ピークに向かって上昇中。後半要注意という。やはり、1、2Qがポイント。19年(同90年)にかけて次の山が見える。