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企業レポート

持ち直す公算大 大宝運輸 8月17日 (2022.08.16)

次の100年そのもの 
24年問題解決し失われた30年取り戻す
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 大宝運輸(9040)は均衡圏。4~6月期一進一退。次の100年初動そのものだ。2019年10月、創業100年。翌11月立ち上げた東郷コールドセンター(延べ30億円)が象徴的な存在。一時費用の大幅な増加に見舞われ、コロナとウクライナ情勢長期化に伴い世界的な金利上昇・インフレもあって予定通り進んでいない。三温度帯(常温25度・冷蔵5度・冷凍-25度)物流20年を足場に近隣3支店の集約を図り、中長期食品や小売り・外食産業など中部圏有数の定温物流センターに先手を打った。40年以上続いた教育立社、門戸開放、自力実行を通じて優秀な人材が育っている上、「知識の限界が思考、行動、成果の限界」という社員レベル。上場から4半世紀数え40代後半が人口動態の「ボーナス期」に入るためだ。17年9月長時間労働に係る愛知県労働局長の指導を受けて24年問題待ったなし。物流の時間外労働が年960時間に制限され、売上高や利益減、従業員収入減、荷主の運賃上昇など調整が見込まれる。アナログ一辺倒の100年からデジタル導入によりスマート化を受け入れざるを得ないのが現状。以前、同社は規模で全国一般貨物輸送事業2万5941社中231位。愛知県1650社中23位。ともに1.4%で100社に1社のレベルと述べた。24年問題とスマート化により数年先生まれ変わる見通し。次の100年も大や小でなく中規模に見合う体質。顧客のニーズに応えるため、自社の特徴を生かす市場を開発し、安心・安全・安定を目指すという。課題山積で前途多難だが、今できることを最大限しており解決するはずだ。新体制12年。小笠原社長(54)中心にすっかり地についた印象。初代運の会社だけに、コールドセンターをものにすると伸びる。22年以降、時間と空間が全く新しい歴史をつむぎ出すという。社長が22、23年全開運。持ち直す公算が大きい。
 2023年3月期(非連結)は、売上高81億5000万円(5.0%増)、営業利益3億4000万円(38.7%増)、経常利益3億5000万円(36.6%増)、純利益2億円(2.1%減)の見通し。配当100円(中間50円)の予定。設備投資1億円(前期8500万円)の計画。8月10日発表された全日本トラック協会の景況感によると、4~6月期-52.1(1~3月期-44.0)に悪化。7~9月期-51.9と横ばいの見込みだ。燃料代の高止まりを価格転嫁できず運送原価も上がっているため。都道府県別の年間出荷量(トン数)で愛知県がトップだけに注目される。中長期製造業の国内回帰、インバウンドが予想され、アベノミクスの巻き戻しによるもの。インフレにスライドして価格転嫁も進むとみられる。同社のように大でも小でもなく中規模が合理的。24年問題を解決し「失われた30年」を取り戻す構えだ。前期の連結純資産62億円に対し時価総額26億円に過ぎない。※2月1日発表された決算にご注目ください。

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