証券ビュー

アンコール伊勢町

十分調整したが不十分 デフレ抜け出すのに不可欠な円安 (2022.06.23)

 反落。日経平均中陰線の引け。腰砕けだ。買い戻しが一巡し後場様子見。1ドル136円台後半の円安に拘わらず輸出関連が売られ、日本時間22日夜FRB議長の米議会証言待ちという。同議長が日本のバブル退治に明け暮れた「平成の鬼平」になりかけ、7月も0.75%利上げに踏み切るほか、イングランド銀行5会合連続利上げ。ECBも利上げを表明し9月にマイナス金利卒業の見込み。スイス国立銀行0.5%利上げも伝えられ、ヘッジファンドが浮き足立った。某大手のリターン5月-14%、年初来-52%という。モルガンスタンレーによると、まだ景気後退リスクが十分織り込まれず、S&P500種でなお2割下げると手厳しい。日本の場合、傍目で悪い円安を袋叩きだが、その実1億2000万人の経済を回し世界3位のGDPを確保。コロナ・ウクライナ危機にも法人税収を伸ばし、エネルギーや一次産品の大幅値上げを製品値上げで吸収、大手をはじめ企業の社会貢献が目立つ。半面、22日参院選公示(7月10日投票)で1人区の候補者乱立。540人名乗りを挙げ一部始終支離滅裂な印象。事実上、現政権の信任を問うのが大義とみられる。平成の鬼平から30年有余デフレに持ち堪え、インフレ体質の米欧と折り合いをつける時がやってきた。前日中国が特使を3週間欧州に派遣しロシアの二の舞を案じている旨述べたが、ロイターによると16~24歳の失業率が5月18.4%と過去最高。今年大卒1100万人のうち4月半ばに就職できたのが15%で、2020年から7000万人超の雇用が失われたという。万一中国から外資引き揚げなら若手と資金が海外逃避。ロシアの後追いだ。21年末日本の対外純資産411兆円で世界一。円安で加重平均すると約100兆円の含み益。企業が海外で蓄えた金融資産に相当し、5月末の外貨準備175兆円を加味すると、いわれるほど悪い円安にならない。この上加速すると日銀が出口を見失なうというが、ファンダメンタルズでプラスといえなくもない。受け売りだが、コロナ前に比べ4割以上急増した米国のマネーサプライ。これに伴う米国のインフレが先進国で突出。貿易赤字急増により米国の国際収支大幅悪化。米欧のほか他国や地域で金融正常化の動きが広がり動転しているのが現状。ウクライナ危機長期化により消耗戦の公算が大きい。ひとえに持ち堪えることだ。米欧はじめ中国、ロシアも中長期「日本化」をたどる見通し。ドル建てなら95年や2011年当時の円高加速と逆相関。デフレから抜け出すのに不可欠な円安と考えられる。
 日経平均先物によると、22日大証ミニ2万6050円(-0.19%)に対しラージ同、シカゴ円建て6040円。現物より110円安い。ダウ先物3万0078ドル(-1.46%)。同452ドル安い。VIX恐怖指数31.29(+0.84%)、WTI原油先物102.62(-6.30%)。金先物1845(+0.38%)、ビットコイン円2,770,857(-1.90%)。まだ収まらない。
 22日の日経平均96円安。大引け2万6149円。TOPIX1852(-3)。プライムの出来高11億1100万株、売買代金2兆5700億円。値上がり670(値下がり1099)、10年債0.235%変わらず。米10年債3.205%(-0.077)。上海総合3267(-1.20%)、香港ハンセン21,008(-2.56%)、ロシアRTS1395(+1.13%)。マザーズ指数の引け629.82(-1.64%)。値上がり率ランキングによると、関係分で■■■■(****) 、■■■■(****) 、■■■■■■(****) 、■■■■■■■(****) 、■■■■(****) 、■■■■■■■(****) 、■■■■(****) 、■■■■■■■■(****)  、■■■■■(****) 、■■■■■■■(****) 、■■■■■■■(****) など。十分調整したが不十分という。(了凡)