証券ビュー

企業レポート

さらにピーク更新 ヨシタケ 6月14日 (2022.06.13)

中長期新しいステップ 
タイの新拠点伸びしろが大きい
企業HPご案内   前回の企業レポート  
 ヨシタケ(6488)は好調。前期連結最高益を計上し続伸。さらにピーク更新が見込まれる。前期も昨年10月コロナ緊急事態宣言・まん延防止等重点措置解除を受け2度上方修正。新年度、国内のほか中国、北米、アセアンなど依然確り。エネルギーや原材料など大幅値上げに対し平均10%価格改定(昨年9月受注分から)が浸透する一方、円安を追い風に営業外損益も好転。コロナ・ウクライナ危機を通じてグループ一丸。タイ洪水(2011~12年)を吸収した体験がよりどころだ。当時から10年余り、若手の成長が目立ち危機管理も進んだ印象。中長期インフレが予想され2022~23年踊り場。非対面営業で受注を伸ばした矢先、製品開発や品質管理、原価改善など余念がない。22年2月から本社・名古屋営業所を昭和区御器所に移転し心機一転。コロナ後、国内のほか中国、米国、アセアンなど市場拡大が予想される。23年、洪水を奇貨に25億円投入しタイ新拠点稼働から10年。国内の鋳物メーカーが撤退する中、調達とコスト競争に取り組んだ同社にチャンス到来。従来国内シェア上昇、海外売上高5割(前期内部取引を含め4分の1)が目標といわれ、本社で研究開発、実証テスト小牧、すべて製品化するタイが中長期生産拠点と述べた。敷地東京ドーム3杯分、建屋3分の1で中長期伸びしろが大きい。タイ(連結子会社)のおかげで一気通貫のモノづくり。水蒸気の自動制御バルブ中堅で出色の存在だ。一例が電気を使わないメカニカル式自動温度制御の温水製造装置。デジタル化してもアナログが制御するもので国産唯一独自開発。蒸気と水さえあれば瞬時に温水をつくり出す。17年アセアン(10ヵ国)が発足50年を迎え、今後続々人口動態のピークを迎えるだけに中長期魅力的なポジション。戦前の創業(1944年2月)で78年を数えるが、バブル崩壊後90年10月に上場し4150円をつけた熱気が乗り移ったまま。財務と収益力でインフレに強く、円安を追い風に踊り場で存在感。何が起きても乗り切る構えだ。
 2023年3月期(連結)は、売上高75億円(5.8%増)、営業利益10億4000万円(10.1%増)、経常利益14億3000万円(3.1%増)、純利益10億2000万円(3.5%増)と慎重な見通し。上方修正を期待できる。1円増配し期末26円の予定。22年4月1日1対2の株式分割を実施。設備投資2億円(前期10億300万円)の計画。4月の鉱工業生産指数によると、季節調整済指数95.2(前期比-1.3%)。5月見込み99.8(同+4.8%)。6月同108.7(同+8.9%)。バルブ業界にとって順風とみられる。7~9月綱引きになりそうだ。22~23年、同社にとって自分との戦い。人に頼らずトラブルの原因を探る。神仏に恥じない行動を取り有意義な2年という。山田社長(52)も同運で拍車がかかる。製造業の国内回帰に非製造業追随。インバウンド再開、円安など支援材料。中長期新しいステップに入った。※5月16日発表される決算にご注目ください。

>>購読ご案内