正念場乗り切る カネ美 5月11日 (2022.05.10)
人材に中長期のうねり
業界再編進みシェア上昇に意欲
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カネ美食品(2669)は反転。前期計画を上回り大幅増益。足もと底堅く続伸の見通し。テナント・外販事業ともに販促活動が浸透し増収基調。テナント事業の機会・廃棄ロス抑制が顕著で外販事業の工場再編に伴う生産性向上も後押し。前回10年先の初動と述べた。2022、23年踊り場。コロナ禍、ウクライナ危機長期化を通じて業界再編が進むとみられ、シェア上昇に意欲。従来のテナント・外販事業本部にeashion(イーション=洋風惣菜店舗)推進本部を新設し出店拡大と新業態に挑戦。今期5店舗出店(直近33店舗)を目指す。前期、テナント事業の営業利益19億1000万円(直前期16億0300万円)。ひところ300を数えた店舗を271にしぼり引き締まった。外販事業も同3100万円(同11億3700万円損失)計上し底入れ。巻き返す構えだ。この上、eashion事業が拡大すると3本部相乗効果も考えられる。旧ユニー誕生50周年と同社創業50周年(2019)を巡る過渡期。日本惣菜協会によると、2019年10兆3200億円をピークに10年続いた市場拡大が20年9兆8195億円(-4.8%)にとどまり一服。構造改革に取り組んだ。資本構成も旧ユニーやオーナーからパンパシHD(7532)、伊藤忠(8001)系に一変。にも拘わらず正念場を乗り切った。2000年の上場から22年。人口動態に伴うボーナス期入り。中長期最高益(05年3月期19億8100万円)更新が見込まれる。1月31日発表した組織変更及び人事異動の中に本部の新設と新規登用が含まれる。旧ユニーの成功体験と一線を画すもので中長期のうねり。人口減に高齢・核家族化、女性の社会進出などタフでないともたない。同協会によれば、おいしさ67.4%、価格60.2%に、メニュー48.6%、賞味期限34.8%、ボリューム31.8%の順。同社は、おいしさを実現するため構造改革を断行。店舗・販路拡大を徹底し満足が成果につながる人事に踏み切った。顧客満足が従業員に直結する仕組みだ。
2023年2月期(非連結)は、売上高806億円((3.8%増)、営業利益22億5000万円(15.8%増)、経常利益22億8000万円(10.1%増)、純利益13億5000万円(2.2%増)の見通し。11円増配し28円配当(中間14円)の予定。設備投資7億2700万円(前期8億2300万円)の計画。やり切るという。昨年8月東証再編に向け「スタンダード市場」の基準適合を確認。社運によると、2022、23年自分との戦い。園部社長(55)エネルギー全開。伊藤忠やファミリーマートも上昇運で追い風だ。eashion(イーション)初の出店(2002年10月)から20年目の今年関門とみられ、計画通りやり切ると面白い。わらべや日洋HD(2918)、ロック・フィールド(2910)、オリジン東秀(非上場)などほぼ同世代。現在の最大手が中長期トップと限らない。業界再編に拍車がかかり同社もチャンス到来。今期が決め手になりそうだ。※1月10日発表された決算にご注目ください。