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企業レポート

天が世代交代促す アイケイ 4月26日 (2022.04.25)

反転あく抜けに時間 
中期計画の出鼻くじかれ切り返し
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 アイケイ(2722)は踊り場。3Q連結累計巻き返し半ば。期末、新年度にかかってきた。1月11日修正発表のほかコロナ・ウクライナ情勢によるもので反転途上。あく抜けに時間がかかりそうだ。事実、3Q営業黒字転換。期末追い込みに入ったものの、コロナで化粧品が伸び悩み、次もウクライナで相性が悪い。2月開戦から2ヵ月を数え収束のめどが立たないためだ。2Qに続き「スピードヒート温熱ベスト」の不振が主因。TVショッピングに伴うダイレクトマーケティング事業の目玉で同連結累計46.6%減収。発売3年で累計31万突破の反動とみられる。半面、セールスマーケティング(10.4%減収)とITソリューション事業(8.5%増収)が善戦。連結の軸足を固めた。年内持株会社移行を表明しグループと連携が見込まれる事業にM&A戦略。ガバナンス、人材育成の強化に余念がない。21年7月発表した中期経営計画「IK Way to 2024」によるもので、22~24年5月期を通じて連結売上高250億円が目星。2030年食品ロス50%削減、森林認証制度取得原料の利用50%、食品パッケージのグリーン化50%を掲げ環境配慮。「globe基金」活動や人材・働き方にも取り組み、実現する上で経営体制刷新まで踏み込んだ矢先に出鼻をくじかれた。1982年生協卸をルーツに40年。1921年「コープこうべ」(日本の生協初)から100年に相当し大きな節目。コロナとウクライナを通じて天が世代交代を促した印象もある。同社の場合、40年の膨大なデータを持ち50~70代のシニア世代が主要顧客。豊富な販売チャンネルと迅速なロジスティクスによりマーケティングメーカーに駒を進めた。その意味で前期がピークといえなくもない。今後人口動態を念頭に入れると、成功体験がついて回るだけに新体制のリードが不可欠。2040~50年を先取りするもので、国内のほかアジアや世界に連動する仕組み。トップが10、20年若返るとアップデートも急ピッチ。世界中踊り場を迎え適応いかんになった。
 2022年5月期(連結)は、売上高165億円(20.5%減)、営業損失1億3400万円、経常損失1億2000万円。純損失5億2800万円に見直した。配当期末12円を据え置く予定。プライム適合が継続案件で年内開示の運び。前向きだ。21年6月から40歳未満7人で構成する「Jr・ボード会議」スタート。新体制のリーダーたちが設立、上場に次ぐ「第3の創業」に立ち上がった。事業の大半女性が切り盛りしており、従来1人当たり1億円の売上高。世界レベルで人口減と高齢化が進み「女性の時代」といわれる。同社にとって追い風に違いない。前回述べたように、運気好調でステップアップ。数年後様々な幸運が集中するという。上場20年、若手が最も伸びる時で10~20年ロングラン。天の時が地の利、人の和をもたらした。日本通信販売協会によると、通販の売上高2020年度10兆6300億円(推計)でピークアウト。21年度一服し踊り場。同社は業界中堅で軌を一にしている。10年で倍増したものの、21、22年度が10年先の初動。出鼻をくじかれ新年度切り返す見通しだ。※10月12日発表予定の決算にご注目ください。

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