仕込み本格化 矢作建設 3月24日 (2022.03.23)
上方修正に増配表明
不動産関係中長期の目玉
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矢作建設工業(1870)は確り。2月4日上方修正に続き3月8日4円増配を表明。戻り高値を更新した。受注減に拘らず工事採算の改善によるもので、中長期事業拡大の走り。大府市から東海市にまたがり、大規模な自社開発を展開。交通利便性の高い土地を取りまとめ許認可を取得。5年超の取り組みの末、現在造成工事を行っている。建築(第3四半期連結累計58.7%)、土木(同30.6%)、不動産挙げてバランスの取れた構成が定着。今後高水準の業績を確保できる見込みだ。課題解決と価値創造型企業が10年後のテーマ。名鉄(9048)が筆頭株主で運命共同体だけに、名古屋駅ひとつ1941年以来の体験。1999年から2017年にかけてJRセントラルタワーズ、ミッドランドスクウエア、大名古屋ビルヂングなど相次ぎ開業。20年代後半、名古屋駅前再整備や栄中心部の大規模再開発がうなりをあげ第2幕。さらに、リニア開業も予想され拍車がかかる見通し。24年、新中日ビル170m(地上33・地下5階)開業が次世代の一端という。従来、3K(きつい・危険・きたない)といわれた業界をAIが席巻。コロナで働き方が変わったように、リアルタイムで現場の状況を把握。無人施工に伴う遠隔操作や重機投入。設計図も2Dから3D が主流になり、DXにより見える化や効率化が進むことから、質のいい建築物を割安に供給できる。男社会が女性参入増により多様化するのも道理だ。建築、土木、不動産ともに民間が二の足を踏み、国や自治体を中心とする公共投資がリード。東京五輪(1964)や大阪万博(1970)前後をピークに補修や更新待ったなし。同社は名古屋を地盤に10年で脱皮。20年度の連結売上高1066億円に対し25年度同1300億円、30年度2000億円を掲げた。10年で倍増かそれ以上。21年度から5年で約300億円成長投資を実施。不動産や研究開発、人材、情報化など余念がない。社運によると、名鉄と同運で22、23年徹底的な見直しが必要。他人でなく自分を頼る。トラブルの原因を突き止める。神仏に恥ずかしくない行動を取る。天与の2年を有意義にという。
2022年3月期(連結)は、売上高960億円(10.0%減)、営業利益60億円(18.5%減)、経常利益同(19.4%減)、純利益47億円(42.7%増)に見直した。配当38円(期末21円)の予定。手持ち工事の採算が好転するほか、第3四半期政策保有株式の売却益8億8600万円を計上している。現在、近隣や関西に開発物件を持ち出番待ち。前回紹介した三重県桑名市のカインズ専用物流施設が一例で、大府や東海市に大阪中河内の八尾市にも新たな物件。販売用不動産が第3四半期末202億円(前期末153億円)を数える。コロナ・ウクライナ懸念にエネルギーや資材高騰真っ只中。しかし、減収下で上方修正し増配に意欲。不動産開発が中長期の目玉だ。