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企業レポート

第2幕が上がる 日東工業 12月28日 (2021.12.27)

期初計画を上回る推移 
ベストメンバー揃え10年後楽しみ
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 日東工業(6651)は底堅い。期初計画を上回る推移。新年度を先取りする動きだ。来年7月約10%価格改定を控え連結尻上がり。採算の改善が見込まれる。コロナ禍、市況悪化や受注減、案件延期など想定を下回り、売り上げから変動費を差し引いた限界利益の増加によるもの。後半一連の原材料高騰、部品・部材の調達難から当初予想を据え置いたが、来期逐一持ち直し逸失利益のうち6~7割埋めるめどをつけた。価格改定は今期17億円、来期30億円といわれるコスト増を吸収するためで、18年に13年ぶり主力製品5~8%改定を受けた経過。企業物価が消費者物価上昇に先行している。現在、2023中期経営計画の初年度。発射台に相当し連結売上高1500億円、同営業利益130億円、同ROE7.0%以上(24年3月期)を打ち出した。コロナ前の水準に戻し瀬戸新工場立ち上げを加味したもの。24年以降、基幹システムほかDXを駆使したビジネスモデルが稼働する見通し。54年ぶり本社工場建て替えが動き出し、22~23年将来を左右する重要な場面。コア事業の標準品をはじめ特注にもこたえ、安定した品質で一刻も早い納期を目指すのが狙い。新工場延べ250億円、設備投資240億円(3年)を盛り込んだ。主力の配・分電盤に部材の販売強化、海外事業拡大、新規事業にも取り組む。24年4月稼働予定の瀬戸新工場に呼応しグループ一丸。生まれ変わる筋書きだ。100年企業を目指すもので、同社が22~23年調整運に相当し仕込みの好機。どんな材料も吸収できる。半世紀を振り返り自分との戦いが始まるという。黒野社長(62)が上昇運で心強い。並み外れた度胸、威勢の良さ、打たれてもタフ。23~24年夢が現実になると出ている。天がゴーサインを出した。22年4月、連結子会社の東北日東工業を吸収合併するが、均整のとれた財政状態と経営成績に感心した。21年7月、東証から「プライム市場」基準適合を受け、選択申請に係る所定の手続きを進める。
 2022年3月期(連結)は、売上高1360億円(1.4%減)、営業利益95億円(23.0%減)、経常利益100億円(21.0%減)、純利益66億円(25.2%減)と従来通り。配当50円(期末25円)の予定。後半上方修正を期待できる。設備投資65億8000万円(前期49億8400万円)、償却42億3000万円(同37億4600万円)の計画。売上高予想によると、配電盤406億円(3.8%増)、キャビネット223億円(1.8%減)、遮断・開閉器・その他112億円(0.8%増)、工事・サービス40億円(3.3%増)、電気・情報インフラ関連462億円(7.4%減)、電子部品関連117億円(4.5%増)と横ばい。コロナ禍、持ち堪えるだけで意味がある。シンガポールの連結子会社ギャザーゲイツグループが黒字転換。中長期上振れ。18年グループ入りした同サンテレホンと同運で明るい材料。国内と海外を結び連結経営が回り出す。過去10年、連結売上高2.4倍、同営業利益3.8倍。今後10年で何倍に化けるか。第2幕が上がる。ベストメンバーを揃え楽しみだ。※2月7日発表される決算にご注目下さい。

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