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企業レポート

猛烈なアタリ 旭化学 11月9日 (2021.11.08)

最高の10年を迎える 
中長期グループ挙げてフル稼働
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 旭化学工業(7928・JQ)は復調。前期連結35.8%増収、755.5%営業増益。予想を大幅に上回った。1月8日と7月9日の修正発表によるもので、電動工具成形品(前期61.2%)と自動車部品成形品(同29.4%)の受注増・生産性向上が主因。14年ぶり最高純利益(4億7400万円)を更新し猛烈なアタリ。10年先の初動とみられる。コロナ禍、売上高構成比約7割を占めるマキタ(6586)と同2割強イノアック向けが高い伸び。国内のほか中国も人手不足で、10月12日中国の連結子会社新工場建設を発表。2023年5月稼働を目指し3割増強に踏み切った。04年立ち上げ06年第2に次ぐ第3工場に相当し5億8000万円投入。中長期さらに拡大が見込まれる。11年稼働したタイの連結子会社前期黒字転換目前。中長期受注増が予想されグループ挙げてフル稼働。人手不足に拍車がかかる見通し。中国の電力危機と世界的な半導体不足が天与の仕込み。22年が10年後を左右しそうだ。電動工具の場合、マキタがリチウムイオン電池でコードレス・充電式をリード。中長期「カーボンニュートラル」(2050年)に向けて充電製品の普及急ピッチ。電動工具の切り替え需要が広がる中でOPE(園芸用機器)の成長も本格化。世界の市場規模4兆円(電動工具2兆円)といわれ倍々ゲーム。現に、マキタの収益がリーマン危機直後から10年で倍増しスケールアップ。21年度750億円の設備投資により連結売上高8000億円が視野に入った。このため、中長期強気。連結売上高300億円、海外売上高比率80%超が構想の一端。1993年の上場から28年。杉浦社長(54)就任11年を踏まえ最高の10年を迎える。日本金型工業会によると、9人以下の事業所数7割強。1991年2万2815をピークに半減した。同社は国内従業員100~299人1.1%の一角を占め大手。自動車用のほか電動工具やOPEの増加が見込まれ光明を見出した。
 2022年8月期(連結)は、売上高104億円(0.1%減)、営業利益7億円(13.2%減)、経常利益7億2000万円(6.7%減)、純利益5億円(9.4%減)と慎重。コロナをはじめ中国の電力危機と寒波、半導体不足など加味したもので上方修正期待。中間配当10円に期末増配も考えられる。設備投資6億2400万円(前期2億9600万円)の計画。22年の運勢によると油断禁物。中長期好調。時間と空間が新しいビジネスチャンスをつむぎ出し希望に満ちた展開という。10年足を引っ張ったタイ連結子会社が尻上がり。社長は今までの人生を見つめ直す2年が始まる。これから10年、指折りのメンバーで事業に取り組みメジャー集団になって社会に貢献。来年4月スタンダード市場で人気化しそうだ。マキタのほかイノアックを通じてトヨタグループも評価。多色成形機導入に踏み切る。無借金で時価総額33億円。100億円レベルまで道筋がついた。※10月11日発表予定の決算にご注目下さい。 

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