採算が大幅に好転 ダイセキ 11月2日 (2021.11.01)
環境通じて社会に貢献
アジア№1のリサイクル企業目指す
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ダイセキ(9793)は連結尻上がり。計画を上回る折り返し。採算が大幅に好転した。10月1日の修正発表によるもので、鉱工業生産回復をしのぐ生産性向上が主因。通期の営業利益が中期計画を1年繰り上がる見込みだ。鉱工業生産がコロナ前に近い水準まで持ち直し、原油や非鉄など資源価格上昇と連動。地道な営業努力と原価改善に取り組み上期最高益を計上した。メンテナンス案件の遅れや自動車生産の落ち込みも事実で下期慎重だが、10月から一連のコロナ規制が緩和され対面営業正常化。新規顧客が増加しており収益向上・シェア拡大につながる。10月29日発表された鉱工業生産指数によると、9月5.4%落ち込み3ヵ月連続マイナス。しかし、10月の製造工業生産予測指数プラス6.4%で11月同5.7%。自動車中心に10~12月期反転する公算が大きい。このため、単体のほか連結もピーク更新の見通し。長期計画(2030年度連結売上高1500億円・営業利益250億円)の初動とみられる。コンプライアンス(法令遵守)体制の充実をはじめグループ連携強化、関東・関西地区の事業拡大が課題。リサイクル技術向上に情報化投資も不可欠。最近グループで紙の使用が目に見えて減ったという。女性の活躍も目立ち単体で構成比2割に迫る勢い。中長期人口減少と少子高齢化に見合うものだ。全体でも1995年上場され4半世紀もまれて粒よりの人材がレギュラーになった印象。これから10年、グループにとって生産年齢人口が一番伸びる場面。最高益更新に蓋然性がある。連結子会社環境ソリューション(1712)の復調も明るい材料。3月1日トップが若返りパートⅡに入った。9月17日上方修正。関東や関西で大型案件の受注が見込まれ、地元でもインフラ整備関連事業たけなわ。人材が育っている。同子会社MCR、システム機工に中長期安定収益の見通しがついた。新規事業も興味深い。環境とリサイクル関連に絞ったM&A、異業種を含むアライアンス、物流にIoT活用。さらに、アジアを視野に海外進出やエネルギー関連事業も選択肢。構想も関心を呼んでいる。
2022年2月期(連結)は、売上高566億円(9.8%増)、営業利益126億円(23.0%増)、経常利益128億円(22.4%増)、純利益82億円(25.7%増)に見直した。配当56円(期末28円)の予定。8月末を基準日に1対1.2の株式分割を実施している。設備投資53億9900万円(前期27億5400万円)の計画。播磨新工場1期工事のほか関西・九州・関東事業所など増強。首都圏南の新工場に目星がつくと新たなステップ。もう一皮むける。来年、人とお金と情報が自然に集まってくる社運。世のため人のため働くと百万の富に恵まれるという。同社は民間レベルでシェアを伸ばす一方、自然災害の復旧にグループで貢献。柱社長(60)も同運だけに来年楽しみだ。直近、産業環境管理協会の会長賞や「企業版ふるさと納税」で明石市から感謝状。COP26ジャパン・パビリオン出展でも知られ前向きな姿勢が目立つ。SDGs(持続可能な開発目標)にも環境を通じて社会に貢献する旨表明。アジア№1のリサイクル企業を目指している。※1月5日発表された決算にご注目ください。