一線画す底力 大同メタル 3月27日 (2012.03.26)
事実上最高益を更新
上方修正と新中期計画手掛かり
大同メタル工業(7245)は続伸。震災からまる1年地についた改善振り。新年度以降ピッチが上がりそうだ。2月13日の上方修正によるもので、同時に発表した新中期計画(5年)も手掛かり。すべり軸受全分野で世界シェアトップを目指す内容。第1ステージ基盤構築(2012〜14年度)、第2ステージ実現(15〜17年度)に至る決意表明。具体的に環境、生産、販売、開発、財務5項目ステップを踏み、連結売上高800億円・営業利益112億円(14年度)を盛り込んだ。3月19日に組織変更と幹部の人事異動(4月1日付)を発表し、異例の期中声明を裏づけるもの。07年3月期から4月連続赤字を計上し無配。11年3月期、国内外最適な生産体制を整え一挙20円復配。06年1月1240円を高値にリーマンショックを受けて09年11月175円の安値。それが何と3月19日1033円をつけ83%戻した。自動車用軸受で世界シェア3割を超える最大手。欧州中心に鉛フリー軸受の海外受注拡大によるもので、前回述べた国内再構築と米国再挑戦(メキシコ生産子会社立ち上げ)が最大の見どころ。予定通りメキシコで稼働すると新中期計画に弾みがつきそうだ。09年(70周年)を節目に延べ10年2度目の事業確立期。ビジネスチャンスがやってきた。今年後半から5年上昇運。来年一服し本格化の見込み。震災をはじめタイ洪水、犬山事業所、連結連結子会社習志野工場の汚染水処理解決にも意欲。日本企業の底力を見る思いだ。3Q上方修正したが、修正予想に対し連結売上高75%、同営業利益で77%の進捗率。8割を占める自動車のほか船舶や建機など他の部品メーカーと一線を画した存在。決算発表(5月15日の予定)が気になるところだ。
2012年3月期(連結)は、売上高690億円(9%増)、営業利益94億円(22%増)、経常利益86億円(28%増)、純利益48億5000万円(40%減)の見通し。前期税効果37億3600万円計上しており事実上最高。配当14円(期末7円)の予定だが、20円据え置きも考えられる。設備投資61億円(前期27億円)の計画。今年は震災とタイ洪水に伴う自動車メーカーの巻き返しがポイント。来年一服とみられ、その後上昇運だけに乗り切れる。