証券ビュー

企業レポート

伸びしろが大きい セリア 6月8日 (2021.06.07)

市場2極化の鍵を握る 
前期最高益2021、22年見もの
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 セリア(2782・JQ)は続伸。予想を上回る滑り出し。一段と締まっている。巣ごもり需要一巡を見込み既存店99.2%(上期99.4%、下期98.9%)で臨んだものの、4月既存店107.2%(全社114.3%)と昨年緊急事態宣言で落ち込んだ反動もあり高い伸び。国内でワクチン接種拡大が伝えられ、6月20日3回目で同宣言解除も考えられるだけに逆風が追い風。新中期計画(2021年4月~23年3月)に弾みがつきそうだ。多様化するニーズを捉える商品開発、戦略的出店によるシェア拡大、オペレーション効率化が骨子。前期初動で最高益を更新した矢先、2021~22年が決め手とみられる。データ分析に基づく商品開発をはじめ、東京と大阪にサテライトオフィス開設。複数案件が見込める企業と連携強化、北関東や中四国等未出店地域の開拓などブレークダウン(落とし込み)活発。地についてきた。直近10年で売上高2.14倍、営業利益2.75倍に伸びた経緯から、コロナ後、中長期売上高5000億円、営業利益600億円程度視野に入った。1990年バブル崩壊、2000年同時多発テロ、08年リーマン危機後もデフレに強い。今回のコロナ危機然り。10年スパンで4度目のビジネスチャンス。市場2極化の鍵を握っている。2003年の上場から18年。これから30年人口ボーナス期に相当し、国の2050年カーボンニュートラルと連動。AIや5G、DXなど第4次産業革命と重なるためだ。株主や取引先、従業員など西濃や近隣から全国レベルに広がり、若手の成長を期待できる。中長期、地元でイビデン(4062)かセイノーHD(9076)がたどったスケール。比較にならないものの伸びしろが大きい。
 帝国データバンクによると、2020年度100均大手5社の売上高11年連続ピーク更新。店舗10年で4割増。1兆円(2019年度8722億円)市場が目前になった。コロナ関連需要のほか、生活雑貨や消耗品、中食・自炊ニーズなど割安感によるもの。同社の場合、ファッション性の高い雑貨が若い女性に受け支持層が広がっている。100均にこだわり特化することでシェア(推定25%)拡大。業界で目立つ300円から500円のラインナップと一線を画した動きだ。
 2022年3月期(非連結)は、売上高2130億円(6.1%増)、営業利益220億円(3.4%増)、経常利益同(3.0%増)、純利益150億円(1.9%増)と慎重な見通し。さらに5円増配し70円配当(中間35円)の予定。設備投資68億円(前期65億円)の計画。国内最大手の大創産業とメイソウ(中国の雑貨大手名創優品)が業界の矢面に立たされ、同社の新中期計画が注目される。やり切ると中長期2極化をリードする公算が大きい。同社の場合、家系をはみ出す特徴があり現実に強い。2021年、積極的に結果を出す時という。2014年に売上高1000億円でバトンを受けた河合社長(53)。何事も前向きで無理をしない。2021年、自信を持って行動。数年後夢が叶うという。数年どころか、ゆうに30年人口ボーナス期が続き業界をリードする存在。原価率や販管費、在庫回転率など改良・改善にも意欲。前期、前橋と山口に物流拠点を新設し国内6か所体制。同、顧客満足度調査で無印食品、IKEAに続き3位。ダイソー、ニトリを上回った。2021、22年見ものだ。

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