100年企業を視野 マルサンアイ 5月25日 (2021.05.24)
若手の伸び最大の材料 今後30年人口ボーナス期に突入
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マルサンアイ(2551)は底堅い。コロナ禍、10期連続増収の折り返し。連結収益拡大が続いている。グループ中期経営計画(第3次)によるもので、3月に70周年を数え100年企業(2051年)を視野。中長期本格化が予想される。01年に上場後20年。これまで全国から入社した社員(20年9月期連結426名)の人口動態から今後30年ボーナス期に突入するためだ。AIや5G・DX(デジタルトランスフォーメーション)のほか2050年カーボンニュートラル宣言、SDGs(持続可能な開発目標)に呼応。第4次産業革命に繋がるもので、30年後10代が40代、20代が50代、30代が60代になり国レベルでもピーク。次の100年に差し掛かる。2017年立ち上げたマルサンアイ鳥取(連結子会社)が初動。主力の豆乳(第2四半期連結5.0%増収)をリード。グループ全体でも計画を1割程度上回っている。今後10年スパンで若手の成長が見込まれ、コロナ後弾みがつく見通し。巣ごもりどころでない。日本豆乳協会によると、国内生産量(2020年43万kℓ)が過去10年で倍以上。2020年741億円市場といわれ、同社グループ22.8%のシェア。なだらかな伸びが続く見込みだ。ルーツのみそも同1008億円市場に対しシェア5.2%。中小ひしめく中で唯一の上場企業。鮮度みそシリーズのヒットを呼び水に巻き返している。牛乳、豆乳に次ぐ第3のミルクが話題。健康志向に環境負荷を考慮したものでアーモンドミルク拡売。オーツミルク新発売。豆乳グルトや豆乳シュレッド、豆乳スライスなどチルド製品売り出し中。2月に東京四ッ谷の「オテル・ドウ・ミクニ」(フランス料理店)で豆乳グルトを使用したレシピがユーチューブで受けた。AIやIoTでデータの解明が加速。みその認知症予防効果に関する大学との共同研究や植物性蛋白質を摂取できるプロテイン飲料、加齢に伴う骨格筋萎縮と筋力低下に対する豆乳の効果など現実的なテーマ。大豆の可能性が大地の恵みそのものになった。あと2年といわれるコロナの渦中が初動形成の決め手。連結子会社マルサンアイ鳥取のほか、同匠美(富山県)の豆乳バルク工場稼働、さらに本社第2物流倉庫竣工も支援材料。米中対立にワクチン、五輪、インフレ、利上げ観測さえ流れる中で前向き。中長期足場を固めた。
2021年9月期(連結)は、売上高300億0300万円(1.8%増)、営業利益6億4900万円(29.0%減)、経常利益6億0900万円(33.8%減)、純利益3億5600万円(50.3%減)と従来通り。期末配当30円の予定。設備投資13億8000万円(償却15億1600万円)の計画。第2四半期、原材料高と製造コスト増により減益になったが、豆乳と飲料の伸びが予想を上回り、コロナ禍で販促費や旅費など落ち込み上方修正。通期でも当初の前提を変えていない。会社の運勢によると、2021年整理整頓。22~23年正念場。中長期の仕込みに傾注する場面だ。これに対し、渡辺社長(64)は何ごとにも前向き。無理をしない。21年自信を持って行動し新たなスタート。不可能が可能になるという。グループ中期計画(第4次)まで公表しているが、何より若手の伸びが最大の材料。将来トップ、幹部候補が層をなして出番待ち。DX次第で高収益に生まれ変わる。2021、22年の初動形成によるものだ。