新年度続伸の構え マキタ 4月6日 (2021.04.05)
何が起きても覚悟の上
ストロングカンパニーが長期目標
企業HPご案内 前回の企業レポート
マキタ(6586)は好調。前期、連結後半上振れ。新年度続伸の構えだ。昨年10月30日と今年1月29日の修正発表によるもので、国内外コロナ感染拡大にかかわらず同年度末確り。さらに上方修正も考えられる。営業活動の制限に海外為替の目減りを受けながら、巣ごもりや建築・建設現場の需要が堅調なためという。昨年2月中旬2割操業(中国昆山)を底に事実上「例年通り」の営業活動で乗り切った。ブレグジットにかかわらず英国よし。混乱続きのブラジルも玉不足。創業(1915年)以来顧客本位、現場主義でアフターサービスに傾注。世界約320の営業拠点を通じてプロが酷使する工具を今も3日で修理する公約に変わりない。自動車と同様エンジンから電動化の流れを受け2022年3月期を目安にエンジン製品生産中止を宣言。2050カーボンニュートラルに舵を切った。第4次産業革命に相当しリチウムイオン電池の改良・改善に新電池開発も予想され、現在連結売上高比率推定11%(昨年9.5%)のOPE(園芸機器)を後押し。次の100年仕込みに明け暮れている。コロナ禍、尻上がりとなり4月以降半導体をはじめ原材料の値上がりが懸念材料。前期連結最高益とみられ受けて立つところだ。米中対立が激化する中で世界中感染拡大が伝えられコロナ後が焦点。2001年米国で同時多発テロ、11年日本で東日本大震災。21年、何が起きても覚悟の上だ。18世紀後半の産業革命で英国石炭、米国が石油で各100年世界をリード。持続困難な現状で水素や全固体電池中心に低炭素革命が始まった。国や企業、個人も借金漬けといわれる超低金利下で米国の主要株価3指数が最高値を更新。株のほか債券、ドルも正念場を迎えた。同社の場合、充放電とモータ技術を活かしコードレス・脱エンジン化を推進。安全・利便・快適性のほか排ガス・騒音・燃費低減に意欲。前回紹介した40Vmaxシリーズが一例。工具とバッテリー間の相互通信を可能にし給電制御を最適にした独自のスマートシステムを搭載。重要なプラットフォームといわれる。園芸機器の充電化が環境問題解決に貢献する旨巣ごもりで見直された。1958年、国内初の電気カンナを発売し、モータ修理から電動工具に転換したのに匹敵する場面。トヨタ(7203)と共通項があり、どんな事態にも屈しない「ストロングカンパニー」が長期目標。万一、米中対立が共倒れになれば、国内とルーマニア、タイ工場挙げて後方支援。対応できるという。唯一、コロナで制限を受けた海外の市場が心残り。現場主義に則り再開する。
2021年3月期(連結)は、売上高5700億円(15.7%増)、営業利益820億円(28.0%増)、経常利益810億円(22.7%増)、純利益580億円(21.5%増)と従来通り。中間配当10円・期末連結配当性向30%(前期計53円)が基準。設備投資580億円(前期444億円)、償却140億円(同120億円)、研究開発費132億円(同94億円)に変わりない。新年度、落ち込んだアジア(前期第3四半期累計4.2%減収)の回復が見込まれる。尼寺空圧工業を子会社化し2022~23年調整運。新年度がモノをいいそうだ。※10月28日発表の決算にご注目ください。