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企業レポート

回復急ピッチ 大同メタル 3月16日 (2021.03.15)

すべり軸受№1目指す 
未曽有の転機コロナ後を示唆
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 大同メタル工業(7245)は堅調。連結尻上がり。コロナ後を示唆している。まる1年底練りによるもので、2月12日開示した業績予想が走り。昨年6、7月を底に回復急ピッチ。通期営業黒字転換が見込まれ、行き過ぎたコロナ禍の反動で2021~22年度回復が予想される。何より、グローバルマーケットシェア上昇が手掛かり。暦年ベース同社推定値(2019)によると、自動車エンジン用半割軸受33.0%、ターボチャージャー用軸受20.5%、舶用低速ディーゼルエンジン用軸受55.0%など世界トップ。新中期計画(2018~23年度)ですべり軸受全分野№1を目指しており、バブル崩壊とリーマン危機延べ30年大調整を踏まえ、残存者利益の表面化が予想される。すべり軸受の市場がニッチで大手参入やM&A案件も限られ、技術開発に意欲的でいい顧客に恵まれた。国内外、競争相手が撤退すると生き残った企業が市場を左右するポジションにある。折も折、AIや5G、DX(デジタルトランスフォーメーション)のほか、全個体電池実用化が迫る未曽有の転機。IEA(国際エネルギー機関)の内燃機関を必要とする車(2035年まで増加)も見直しを迫られた。すでにエンジンからモーターへEV・PHV・HVなど電動自動車で多くの需要が見込まれるアルミダイカスト製品をタイ新工場に立ち上げた。2016年、飯野HDの全株を100億円で取得し自動車向け精密金属加工部品をラインナップ。海外拠点を拡充したのもこの一環。新規事業の創出・育成待ったなしだ。
 2021年3月期(連結)は、売上高830億円(17.1%減)、営業利益3000万円(99.3%減)、経常損失5億円、純損失11億5000万円の見通し。配当20円(期末10円)の予定。設備投資90億円(前期108億円)、償却87億円(同95億円)の計画。第3四半期20.9%減収、営業損失16億0800万円だけに後半V字型。日本、北米の回復及び中国での新規開拓等を手掛かりに切り返した印象。数年後、光明が見える。新中期計画によるもので、コロナ一巡から行き過ぎた振り子が実需に煽られリバウンド開始。同計画ローリングにより3年目以降持ち直す公算が大きい。100年前、第1次大戦(1914~18)とスペイン風邪(1918~20)の因果関係にそっくり。一線を越えた財政・金融政策と企業・家計貯蓄がバブルとなり「黄金の20年代」といわれた。リバウンド一巡から真価を問われる。メジャーSQの3月12日、同社の時価総額287億円。第3四半期連結純資産594億円の48%に過ぎない。予想配当落ち利回り3.3%。巻き返しが見込まれる。自分の道を切り開くことで運気が上昇する会社。CEOも同運で来年ともに好転。ローリングによる見直しが反転のカギだ。創業90周年(2029年)にかけて次の山が見える。風車事業への参入も手掛けており、欧州大手メーカーでの試作・評価が進んでいる。全てにおいて完璧を求める会社。自分にも厳しく、すべり軸受世界トップを目指す方針に変わりない。働き方改革により新卒・若手社員の活躍も期待される。※
改めて5月14日に発表された決算にご注目下さい。

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