絶好のポジション エイケン 2月16日 (2021.02.15)
落ち込んだ実需顕在化
中長期自動車EV化待ったなし
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エイケン工業(7265・JQ)は回復。コロナ禍、落ち込んだ実需が顕在化。持ち直す見通し。前期ロックダウン(都市封鎖)を主因に約25%急落したアジアがリード。地盤の国内とヨーロッパ比較的確り。改めて売上高ピーク(2018年10月期59億5700万円)更新を目指す。政府が脱炭素を掲げ昨年末自動車のEV化を打ち出し中長期踊り場。内燃機関・産業機械用特殊フィルターと燃焼機器を2枚看板に第3の柱立ち上げ待ったなし。17年10月稼働した第8工場(2割増強)に続き北側隣接地約2000坪の新工場計画も新たな手掛かりだ。品質と付加価値向上に欠かせないという。19年5月、開発部を立ち上げ具体化に向け動き出した。取引先のトヨタ紡織(3116)やヤマシンフィルタ(6240)と共通項があり、地元の御前崎市(人口3万人強)にとっても死活問題。コロナ後、目先の収益確保と中長期対応に追われそうだ。事実、18年4月トヨタ紡織から品質優秀賞を受け、前期ヤマシン向け建機フィルター納入本格化。実質無借金(20年10月期自己資本比率77.7%)で地元の期待も大きい。バブル崩壊(1990)、リーマン危機(2008)、東日本大震災(2011)、台風24号に伴う静岡の大規模停電(2018)を乗り切り、中電浜岡原発稼働停止から10年目を数える。前回述べたように、本社のある御前崎市の人口が2004年合併当時3万6000人から15%減少(2021年1月現在)したのに対し、同社の従業員42%増加(2020年10月現在)。昇給や賞与に限らず地元に安定した税収をもたらし貢献。これから10年様変わりになりそうだ。2017年(50周年)が事業100年の折り返し。戦後フィルターの部品加工から完成品を国内外に送り出し、1976年ガスバーナーの製造販売を第2の柱に1997年JQ上場。以来20年以上取引先、地域社会、株主など負託にこたえた。昨年末政府が打ち出した脱炭素を巡る自動車のEV化こそビジネスチャンス。出光興産(5019)が年内安価な小型EV参入と伝えられ、メーカーとして全固定型電池やモーター関連に次世代のうねり。どんな形であれ、これまでにないプロセスが予想され、避けて通れないためだ。昨年10月、50周年を迎えた日本フィルター工業会主要12社も同じ定め。コロナ後、前哨戦が始まる。
2021年10月期(非連結)は、売上高60億円(11.4%増)、営業利益4億2200万円(70.0%増)、経常利益4億4200万円(66.9%増)、純利益3億0800万円(36.0%増)の見通し。上方修正も考えられる。5円増配し期末配当115円の予定。設備投資3億円(前期1億1400万円)の計画。今、来期リバウンド一巡から正念場。海外移動制限に主要輸出先の顧客との連携を踏まえ渡航解除が目安。冷静な対応が望まれる。2021年運気好調で油断大敵。1997年の上場当時に匹敵する場面。現実世界に強く積極的に結果を出す時という。早馬社長(64)が運気好調で今年後半から尻上がり。数年後最高。一服後、再上昇という。天の時、地の利、人の和を呼び込むもので、絶好のポジションにある。
※改めて6月4日に発表された決算にご注目ください。