面倒なマネー(上) 3月13日 紫玉庵 (2012.03.13)
金本位制外し問題発生
日本の場合死んでいる状態
通貨の発生は、3000年前の
アッシリア時代にあった債務証書が起源。
口約束が、紙などに記録されたものです。
債務証書が、当事者から独立して、
一人歩きしたことが、マネーの始まりです。
証文が紙や皮だと焼失してしまうので、
不変の実体=金となりました。
最初は、一定量の砂金。
アッシリア時代の終わりは、戦乱続きで、
各国の王さまは、
武人や技能者を各地から募りました。
彼らは報酬、国が滅亡しても残るものとして、
金を求めました。
自分が蓄えどこに持ち出しても、
農地や住宅、穀物など手に入れることができたからです。
最初、砂金ですが、
金塊となり、
金のコインになり、
発行者として、顔や名前が刻印されました。
当時の王様にしてみれば、
金を持っていれば、
より、有能な人間を抱えることができたのです。
領土は金をめぐる争いでもあり、
起きたのが、3000~2400年前の世界。
ミトラス教の土台の上に、
ゾロアスターが「最後の審判」思想を確立し、
中国大陸では、
老子や孔子の「百家争鳴」が始まり、
都市国家ギリシャでの「哲学」、
ユダヤ教のモーゼ五書、
インドの釈迦の悟りが生まれています。
アレクサンダーは、
ペルシャを滅ぼしたあと、エジプトに遠征し、
キルギスの手前のバクトリアにいったのも、
金塊や金鉱脈を探すのが目当てだったようです。
しかし、今の通貨は、
金貨や金塊とは、完全に離れたものに
なってしまっています。
中央銀行が作っている紙幣や
電子番号の数値でしかありません。
18世紀後半、
日本列島から大量に流失した金を
基に出来上がったのが、
各国の中央銀行制度でしたが、
その発行するペーパーマネーから、
人類は、大きな問題を発生させたのです。
金本位制を外した時から、
通貨の量に制限がなくなり、数字表記になりました。
戦後、インチキが簡単に発生し、
多くの混乱と悲劇がおきました。
今年に入って、世界中多くの富豪のもつ資産について、
全うな形で得た「実物の富」であるのか、
厳しい検証が始まっているようです。
マネーはエネルギーであり、
略奪性や、悪魔性もあります。
同時に、人間の意志を支援し、
その思いを現実化させる、力にもなってきました。
しかし、日本の場合、
マネーが死んでいる状態が、長く続いているのです。