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企業レポート

一丸に手ごたえ 木曽路 12月29日 (2020.12.28)

目覚ましい回復ぶり 来期連結開始共創和や会立ち上げ
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 木曽路(8160)は底堅い。コロナ禍、予想を上回る折り返し。3、4Q正念場とみられる。第2・3波によるもので、3大都市圏中心に感染者最多更新が主因。予断を許さない。しかし、主力の「木曽路」(しゃぶしゃぶと日本料理)と「じゃんじゃん亭」(焼き肉)が10~11月9割以上戻し需要期入り。コロナショックの4月13日オープンした「木曽路」前橋店が健闘している。このほか業態変更を含め春日部店(10月8日)、各務原店(同14日)、姫路店(同)、堀田店(12月1日)など次々オープン。巻き返しに入った。当初最悪100~150億円赤字との試算も聞かれ、実質無借金ながら135億円の借入金(3ヵ月から1年)を計上。臨時休業や役員報酬減額、臨時休業継続、特損を含め中間期33億1400万円営業赤字にとどっまたのが大きい。イベント開催や持ち帰り弁当、しゃぶしゃぶセット販売にTVCM、折り込みチラシなど販促の傍ら、店舗休業や売上高に連動する労働時間管理等人件費を抑制し、日常経費の保守契約見直し、家賃交渉、新規投資吟味など徹底したもの。2015年メニュー偽装問題の体験が求心力をもたらした。中間期雇用調整助成金4億9900万円計上したが、7~9月期業績の回復が顕著で特例措置延長なし。10~12月期、年明け1~3月期伸びない前提のため第2・3波の影響もさほどでない。むしろ、コロナにより平準化が進んだという。テイクアウトが予想以上に跳ね上がり、板さんをはじめ店舗ごと一丸に手ごたえもうかがえる。一般には年末年始最大の書き入れ時に予約半減が現状。国や自治体で最高レベルの自粛要請。時短や休業要請を通じて新たに店舗減損や人件費、食材廃棄など特損も考えられるものの動じない。日本フードサービス協会によると、11月の外食産業全店データ92.2%(10月94.3%)。前年同月を上回ったのがファーストフード洋風(同110.4%)とファミリーレストラン焼き肉(同109.4%)のみ。回復に水を差した。依然、パブ居酒屋(57.2%)の落ち込みが大きい。同社の部門別売上高(中間期)によると、「木曽路」118億4100万円(29.2%減)、「居酒屋」4億1300万円(73.7%減)、「じゃんじゃん亭」7億2300万円(33.5%減)、「鈴のれん」2億0300万円(56.8%減)、「その他」1億7700万円(18.1%減)。4月16日から76店舗休業に踏み切り、6月1日全店(119)営業再開した「木曽路」の回復ぶりが目覚ましい。国や自治体の厳しい規制を受けながら出店できる喜びが伝わってきた。外食7割が最終赤字といわれる中、売り物件が全国レベルに広がっている。中国で料理をつくるのもロボットなら、日本では1980年代POSシステムを導入し「おもてなし」と生産性アップの兼ね合いが難しい。
 2021年3月期(非連結)は売上高355億円(19.2%減)、営業損失16億円、経常損失12億2000万円、純損失14億円の見通し。上方修正を期待したい。期末配当15円の予定。設備投資14億2000万円(前期23億8000万円)の計画。来期から焼き肉「大将軍」(本社千葉市)を初の子会社に連結開始。現在11社を数える中部・北陸圏の外食関連業界団体「共創和や会」(きょうそうなごやかい)を立ち上げる。同社の運勢によると、2021年自信を持って進め。困難があっても成功する。トップも運勢好調で結果を出す年という。※1月29日発表予定の決算にご注目ください。

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