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企業レポート

コロナ後の走り 藤久 10月21日 (2020.10.20)

ピンチのあとチャンス
オーナー経営を転換し次のステップ
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 藤久(9966)は堅調。前期後半急回復。地についた。マスクや生地、和洋裁、ミシンなどコロナ関連特需によるもので、マスク一巡後も「巣ごもり」消費拡大。編み物に刺繍、手芸アプリまで後押し。ピンチのあとチャンスがやってきた。2018年8月発表した中期計画のもと構造改革に取り組み、1年後修正した上で「リボーンプラン」を策定し現在も推進中。5月に投資ファンドKSP傘下の会社に第3者割当(議決権31.64%)を実施し約15億円調達。8月20日、上方修正し25円復配を発表する一方、継続企業の前提に関する重要事象等の記載を解消した。10月1日付で1株を2株に分割。発行株式総数を4000万株(従来2000万株)に定款変更している。「同プラン」を実現するため、35億円のシンジケート・ローンを契約。物流システム見直しをはじめ一連の懸案解決に運転資金を確保した。コロナ特需が一時的なもので、第2波により景気や個人消費に与える影響も予断を許さない。しかし、月次情報によると、前期既存店累計123.4に対し7月167.1、8月146.8と高水準。家計調査(2人以上の世帯)が7月92.4、8月93.1だけに目立つ。記録によると、100年前のスペイン風邪と似たような展開。これがもとで第2次大戦になった。今回、第3次大戦なし。5Gに「グレート・リセット」が取り沙汰され世界中ふるいにかかる。どの業界もトップ争いが熾烈だ。国内で幕末から維新、応仁の乱から戦国時代ともいわれる。同社は維新、戦国レベル。コロナを契機に起死回生。売りたいものや教えることから顧客ニーズの実現に舵を切る場面。自分たちの顧客を組織の中心にして問題解決に取り組めば運命共同体。経営環境が一変しても対応できる。開発や生産、流通など顧客ニーズに沿ったもの。オーナー経営を転換し次のステップに入った。来年7月稼働する予定の基幹システムが新たな一歩。延べ140万人といわれる会員制度、教室運営、通販のテコ入れなど動き出す見込み。万一リアル店舗がコロナ感染の影響を受けても通販が機能すれば問題ない。今期、仕込みに明け暮れしそうだ。
2021年6月期(非連結)は、売上高211億8500万円(5.3%減)、営業利益9億1100万円(3.2%増)、経常利益8億9900万円(20.0%増)、純利益6億円(112.7%増)の見通し。配当25円(期末12.50円)を据え置く予定。設備投資1億5900万円(前期1億4600万円)の計画。有効会員数が4年前の水準に戻り生き返った印象。不採算店舗の閉鎖(3年で100)、オムニチャネル化、物流システム見直し、店舗運営部門の子会社化が継続案件。2019年8月9日公表した中期計画を修正している。売上高248億円、営業利益22億6700万円、経常利益22億5500万円(2023年6月期)が新たな目安。会員ビジネスの確立を目指し、配当性向40~50%を掲げた。会社の運勢によると、2020年向かうところ敵なし。数年後夢が叶うと出ている。現状、コロナ後の走り。絶好のポジションにつけた。※ 2月15日発表予定の決算にご注目ください。

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