最大の悪材料コロナ 福島印刷 10月20日 (2020.10.19)
最大の好材料コロナ後
BPOの市場拡大ピンチがチャンスに
企業HPご案内 前回の企業レポート
福島印刷(7870)は一服。前期7年振り減収。底を探っている。息切れした金融緩和やコロナ禍によるもので前期終盤表面化。コロナ第2波の影響とも受け取れる。BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング=企業運営業務の外部委託)の市場拡大が続いているだけにコロナ後の仕込み。前期末の自己資本比率67.8%(+0.6%)。総資産の82.0%が機械装置。リーマン危機後、毎期売上高の1割に匹敵する意欲的な設備投資を続行。大型デジタル印刷機やオフセット機、自動封緘機など相次ぎ投入。受け身だったアナログからデジタルなインフラに脱皮。償却負担をこなしストックが安定してきた。現在、最大の悪材料がコロナという。逆に最大の好材料コロナ後。足もと底堅いのも事実で前向きだ。菅新政権発足1ヵ月余、河野行革相が脱「はんこ」を打ち出し、次に書面やファクス廃止など行政オンライン化を表明。デジタル庁設定も回りまわって支援材料。「巣ごもり」どころでない。コロナ後、どの業界も雌雄が決まるためだ。前期の受注高によると、BF複合サービス8億9200万円(24.4%減)、企画商印サービス2億4100万円(36.6%減)に対し、自治体はじめ通知物関連IPOPサービス23億5400万円(12.0%増)、販促分野DMDPサービス42億9100万円(0.8%減)と確り。コロナ後イベント再開、DM案件増が見込まれポジティブな印象を受けた。同社の運勢によると、今までの価値観を見直す年。コロナが相当し自分を変えて吉。手堅く慎重に一歩一歩着実にという。コロナ後、世界情勢やライフスタイルの変化が見込まれ、AIやIoT、5Gなど新サービス台頭も考えられる。前回述べたように、IDCJapan(IT専門調査会社)によると、2018~23年BPOサービス市場年平均成長率3.5%。23年9147億円(18年7601億円)の見通し。同社の場合、2019年8月期8.7%増収、22.6%営業増益と区間新で驚くに当たらない。常に「お客様のお客様」を考えるといわれ、人手不足に悩む国や自治体、大手企業などITを活用し可能な限りプラットホームを広げるのが狙い。市場ニーズに応える人材を育成するため、資格取得支援制度を全社展開している。コロナに米大統領選、東京五輪の行方などこれから半年正念場だ。
2021年8月期(非連結)は、売上高77億8000万円(0.6%増)、営業利益1億4400万円(31.0%減)、経常利益1億5600万円(28.5%減)、純利益1億0100万円(27.6%減)の見通し。配当12円(中間6円)の予定。設備投資8億9100万円(前期8億0800万円)の計画。高水準に変わりない。2024年新1万円札発行が視野に入り特需も考えられる。大器晩成型でエネルギッシュな社運。下畠社長(65)も会社と同運な上、福島会長(66)が来年から長大運。ピンチがチャンスに変わる。