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企業レポート

回復予想以上 マキタ 10月6日 (2020.10.05)

コロナ明けが見もの 
第2波と金融市場の混乱も足かせ
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 マキタ(6586)は回復。7~9月期予想以上。後半にかかってきた。コロナ第2波が伝えられ、北半球中心に今冬正念場。100年前、スペイン風邪(1918~20)と同様ウィルス変異によるもの。感染より死者拡大が特徴で再びロックダウンや自粛要請など懸念される。連結売上高3期連続最高、4~6月期前期並みを受けたもので、10月以降中国とルーマニア(生産拠点)を軸足にピーク更新が視野に入った矢先、米大統領コロナ感染が伝えられ金融市場の混乱も足かせになりそうだ。同社の場合、これまで国内感染5人・海外60人といわれ、単体従業員2958人・連結同1万7090人(2020年3月期)だけに、SARS(重症急性呼吸器症候群=03 4/16~7/5)当時のマスク大量ストックをはじめ一連の対策が免疫になった。2月中旬2割操業に追い込まれた中国(昆山)がいち早く回復。ルーマニアも増強に次ぐ増強。人手が足りないという。米国やドイツの電動工具大手がロックダウンに見舞われ玉不足。引っ張り凧という。このため、4~6月期連結売上高を振り返ると日本253億円(6.1%増)、欧州582億円(4.3%増)、北米199億円(14.2%増)と主要市場で強い。一方、アジア90億円(7.8%減)、中南米42億円(32.3%減)、オセアニア86億円(18.6%増)、中近東・アフリカ18億円(18.1%減)とまちまち。7~9月期トータル持ち直している。巣ごもりや天災による需要がロックダウン・自粛に伴う落ち込みを吸収。市場のコードレス化浸透がうかがえる。電動工具を主力にOPE(園芸機器)のラインナップ拡充。その他充電製品の拡大などコロナ明けが見ものだ。2019年に発売した40Vmaxシリーズがヒット。工具とバッテリー(リチウムイオン電池)間の相互通信を可能にし、給電制御を最適にした独自の「スマートシステム」を搭載。パワー最大限、高負荷時の連続作業時間アップ、長寿命化も実現した。6月に発売した充電式保冷温庫が話題。-18度から60度までこなし若者に人気。充電式フラッシュライトや同ラジオ付TVなどアウトドアの提案が受けている。
 2021年3月期(連結)は、売上高4900億円(0.5%減)、営業利益530億円(17.2%減)、税引前利益同(19.7%減)、純利益373億円(21.9%減)の見通し。びくともしない。中間配当10円・期末連結配当性向30%(前期53円)が基準。設備投資580億円(前期444億円)の計画。7月31日時点で入手可能な情報に基き公表。コロナ第2波を受けた行動制限措置等で再び経済活動が大きく落ち込まない旨を前提にしている。現在、リーマン危機(2008)に似たポジションに置かれ、後半正念場。乗り切るとコロナ明け楽しみだ。後藤社長(45)が運気好調で心強い。油断大敵と出ている。2005年リチウムイオン電池を投入しコードレス化に活路。10年後創業100周年を踏まえ、プラットホームが広がってきた。※1月29日に発表された決算にご注目ください。

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