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企業レポート

健闘し底堅い 矢作建設工業 9月24日 (2020.09.23)

コロナ明け様変わり 
ピタコラムからパンウォールこだま
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 矢作建設工業(1870)は連結堅調。コロナの影響限定的。工事採算の改善が目立つ。3期ぶり純利益がピークを更新した矢先、1Qスタートダッシュ。不動産事業一服から通期増収減益の見通し。しかし、2Q底堅く「巡航速度」で推移。コロナ感染累計9人といわれる中で健闘している。新中期計画(3年)の最終年度。連結売上高1000億円、営業利益70億円、ROE8%が目安。次のステップを控えているためだ。名鉄(9048=筆頭株主)グループの新中期計画と連動。同グループの長期ビジョン2030を視野にビルドアップ。後半の追い込みが新たな中期計画のベースとみられる。名鉄が1Q連結25.7%減収、営業損失102億5000万円のスタート。鉄道のほか不動産、百貨店、ホテル、タクシーなどコロナの影響が大きいだけに踏ん張りどころ。総工費2000億円といわれる名鉄名古屋駅再開発カウントダウン。2022年着工(5年で完工の計画)が遅れ、見直しがあろうとコロナ明け前に進むほかない。東京五輪、大阪万博、リニア然り。2019年7月豪雨から復興需要と向き合い、国土強靭化計画もついて回るだけに尚更だ。全国展開で名を知らしめた「ピタコラム」にひきかえ、法面復旧にパンウォール工法がひっぱりだこ。集中豪雨や防災関連工事をリードしている。同社のように、ゼネコン中堅で全国レベル。逆風下、連結純利益ピーク更新が新たな手掛かり。コロナ禍、ピンチがチャンスになりそうだ。ハローワークの新規求人増減率によると、年初来減少率が最も低い建設・採掘5.3%に対し建築・土木・測量13.9%。事務64.7%や製造64.7%、販売52.1%に対し軽微。国土交通省の建設総合統計でも、2020年4月の手持ち工事30兆7806億円(前年同月比+2.5%)と高水準。雇用が打撃を受けた宿泊、飲食、生活関連や娯楽など比較にならない。工事のキャンセルや中止、延期など加味しても恵まれている。これまでESG(環境・社会・ガバナンス)に取り組んでいるほか、2030年にかけてSDGs(持続可能な開発目標)がテーマになりそうだ。7月第17回公共建築賞優秀賞、8月も第14回愛知建築賞優秀賞に選ばれた。建設事業、不動産事業を通じてエンジニアリングに傾注している。
 2021年3月期(連結)は、売上高1000億円(11.0%増)、営業利益70億円(9.8%減)、経常利益同(10.6%減)、純利益48億円(6.9%減)と従来通り。配当34円(期末17円)の予定。コロナの影響を棚上げしており上方修正を期待できる。前回述べたように、大器晩成型でエネルギッシュ。名鉄と同運で興味深い。ともに、これまでの価値観を見直す年という。その点、高柳社長(58)がグループをまとめ上げるポジション。今年運勢が活気づく運び。ステップアップに入った。9月の4連休中、欧米でガラが起き後半予断を許さないが、ピンチになればなるほどチャンス。グループの士気が上がりコロナ明け様変わり。相当なリバウンド見込まれる。ピタコラムに代わり、パンウォールがこだましている。九州北部の豪雨で同社施工による法面が残ったという。※ 2月5日発表予定の決算にご注目ください。

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