地についた1Q ヨシタケ 6月16日 (2020.06.15)
業績予想に匙加減なし
タイ生産移管完了後新たなステップ
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ヨシタケ(6488・JQ)は底堅い。1Q連結地についたもの。コロナ禍にかかわらず前向きだ。例年より1週間遅れた決算発表で新年度の業績予想を開示。収益の目安を明らかにした。現時点(5月26日)までの引き合いが期末まで続く前提で匙加減なし。通期の連結売上高56億円(19.8%減)、営業利益6000万円(90.1%減)、経常利益3億円(67.0%減)、純利益2億5000万円(65.4%減)の見通し。期末配当20円(前期34円)の予定。未定が妥当であれ誰にもわからず一歩踏み込んだ。国内のほかタイでも非常事態宣言・解除を通じて感染者なし。2011~12年タイ・アユタヤの子会社旧拠点が洪水で操業停止に追い込まれ、約25億円投入してチョンブリに新拠点を立ち上げた体験が生きている。1944年2月に設立され76年。戦前・戦後の混乱を除き経営危機のピンチがないのも事実だ。流体制御のリーディングカンパニーを目指し、「フェア・ビジネス」に撤した経緯から愛知ブランド企業(認定番号432)になっている。1990年10月上場され4150円つけた当時も将来性を買われた。コロナ後さらに一皮むける。
2020年3月期(連結)は、売上高69億8300万円(0.3%減)、営業利益6億0800万円(0.9%増)、経常利益9億0700万円(10.3%増)、純利益7億2100万円(±0)と予想を下回った。4Q コロナにつかまった印象。それでも、純利益が前期と肩を並べ最高。無借金で自己資本比率85.1%に上昇。国内シェア確保、海外50%を目指すものでニッチな市場開拓に定評がある。前回述べたように、海外販路拡大、建築設備物件の受注率向上、提案型営業など5つの課題実現に意欲。一貫している。前期の連結売上高によると、日本65億9100万円(0.6%増)に対し東南アジア19億2800万円(10.9%減)。同営業利益も日本3億9200万円(23.6%増)、東南アジア1億7100万円(42.7%減)。年度後半中国向けが落ち込み2、3月から持ち直した模様。トータルよくないが、悪くもないのが現状という。
国内外、経済再開リスクとコロナ第2、3波が焦点。米国が無制限緩和と大規模な財政投入を打ち出し弾みがついた。世界中ワクチン開発に拍車が掛かっている。タイも日本と同様、政府を当てに出来ない分国民の警戒心が強いという。同社の場合、大器晩成型。今年、価値観を見直す場面。山田社長(50)も同運でコロナに前向きだ。タイ子会社チョンブリ稼働(2013年)から10年が新たな目安。次の上り坂にさしかかる。数年後、生産移管完了とみられ新たなステップが始まる。※ 10月30日発表予定の決算にご注目ください。