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企業レポート

バランス取り戻す 名古屋電機 6月3日 (2020.06.02)

コロナ禍しのぎ高水準 
直近3期改良改善積み重ね体質一変
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 名古屋電機工業(6797)は堅調。コロナ禍をしのぎ連結収益高水準。一段と締まってきた。前期4Q営業利益区間新。直近3期、新体制に伴う収益改善の積み重ねによるもの。大型案件の工期延長にかかわらず通期65.7%上方修正。高速道路会社向け高採算の受注獲得やコストダウンが浸透した。集中して取り組んだだけに体質が一変し1Q予想以上。子会社のインフォメックス松本が寄与しているほか、設備投資の谷間でFA検査装置も健闘。主力のITS情報装置と並び事業再構築の足場を固めた。今年9月、上場20年。オーナー色をとどめながら上場後採用された従業員が人口ボーナス期を迎え稼ぎ頭。新体制10期目(2027年)を目安にベストメンバーが見込まれる。直近までコロナ感染者ゼロ。第2、3波に向け覚悟を決めた模様で、グループ感染予防策5項目と発生した場合の対応及び体制を発表。更新している。市場が米中冷戦やワクチン開発、経済再開を巡る景気の行方に翻弄され乱高下。4~6月期の経済落ち込み20%織り込んだといわれる中で動じない。ITS情報装置で指折りの存在。国内初の情報板が設置された1966年を振り出しに半世紀余。改良と改善に明け暮れ再構築の第一歩を踏み出した。前期立ち上げた企業戦略室が前戦基地。日本信号(6741)や第一実業(8059)、ドイツのYXLONインターナショナル社などに続く新たな材料も考えられる。3月10日、外務省が公表した「2019年版開発協力白書」に同社の事例が紹介され、日本とインドを結ぶマルチモーダル型地域交通情報によるスマートシティが話題。エネルギー低炭素社会実現を目指すものでロングラン。次世代のテーマにふさわしい。主要顧客が国や自治体、高速道路会社に民間の一部とあってコロナ危機と一線を画しているものの、コロナ後が焦点に変わりない。原油底割れやヘリマネ、ベーシックインカムなど米大統領選(11月3日)後相当な影響が予想され、例年前期末の反動で落ち込むはずの前半正念場。1Q発表(8月4日の予定)が注目される。
 2021年3月期(連結)は、売上高209億0400万円(9.9%増)、営業利益15億8900万円(6.0%減)、経常利益17億0500万円(3.7%減)、純利益13億3500万円(7.1%減)の見通し。期末配当25円(前期2円増配)を据え置く予定。設備投資システム中心に2億円レベル。すっかりバランスを取り戻した。会社の運気絶好調。服部社長(43)が向かうところ敵なし。子会社のインフォメックス松本も尻上がり。数年後、夢が叶うと出ている。常に正確、不具合のないこと。会社の年譜に「日本初」がぞろぞろ出てくる。紹介したインドの産学連携プロジェクトが2017年から始まり、新体制10年目と連動する旨興味深い。2028年(設立70年)から10年もう一皮むける。コロナ後のことで、前期末の連結自己資本比率63.8%。無借金経営がものをいう。今後高速道路もAI・ロボット化が進み、10年スパンで脱皮が見込まれる。※ 11月4日発表された決算をご注目ください。

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