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企業レポート

巡航速度中断 ダイセキ 5月7日 (2020.05.01)

コロナ直接影響ない 
グループ連携コロナ後乗り切る
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 ダイセキ(9793)は1Qブレーキ。巡航速度中断。コロナ禍に見舞われた。原油・非鉄市況急落を伴うもので、メーカーはじめ取引先の生産調整に呼応。4月7日国内初の緊急事態宣言からGW明けにかけて国や自治体の自粛要請を受け入れ臨機応変。直接影響ない。今秋伝えられる第2波、コロナ後を乗り切る構えだ。4月末発表された経産省の製造工業生産予測指数によると、5月-1.4%(4月+1.4%)の見立て。予想以上の調整とみられ予断を許さない。民間や国レベルでも耐久力なしに続かない。前期末、同社の連結自己資本比率76.0%。同流動比率349.0%。3期連続連結最高益を更新し56円配当(10円増配)に踏み切った。単体が続伸したほか、連結子会社のダイセキ環境ソリューション(1712)2度上方修正、MCR黒字定着。さらに、システム機工100%稼働などグループ連携によるもの。昨年9月に兵庫県播磨町の新工場用地1万9200坪取得が中長期のアドバルーン。関西の売上高倍増(前期約53億円)が視野に入ったほか、1年延期の東京五輪後関東や東北にも新たな物件を打診。前回述べたように、既存拠点増強、集約、M&Aなど連携拡大が見込まれる。原油・非鉄市況急落も逆回転に違いないが、鉱工業生産が落ち込む中で回収ルート拡大や補助燃料増産など処理コスト改善を期待できる。むしろ、コロナや原油安長期化が行き過ぎた世界の需給を調整し、産廃処理にアップデート、ブラッシュアップをもたらす契機。5Gが6Gになってもデジタルをアナログ転換しないと成り立たないためだ。オーナー中心に経営陣が循環・再生を巡る環境保全を使命に70有余年。1995年の上場後採用された従業員が上場前を上回り人口ボーナス到来。これから10~20年クライマックスがやってくる。VISION 2030に盛った連結売上高1500億円、営業利益250億円がターゲット。コア事業のシェア3割(現在推定1割)も次の目安で、プラスチックや非鉄金属の素材リサイクルが新たなテーマ。優秀な新卒が集まるようになった。過去を振り返るより未来に挑戦する運勢。2020年、向かうところ敵なし。柱社長(59)も会社と同運で数年後夢が叶うと出ている。
 2021年2月期(連結)は、売上高565億円(4.4%増)、営業利益112億円(3.0%増)、経常利益113億円(2.4%増)、純利益72億5000万円(2.9%増)の見通し。配当56円(中間28円)を据え置く予定。設備投資46億5000万円(前期100億円弱)の計画。4月から徐々にコロナ感染拡大が収まり、3月レベルの鉱工業生産に戻るのが前提。万一リーマン危機の二の舞なら下方修正。実体経済の影響がリーマン級でも、当時単月黒字で通し心強い。試算では日本企業のダメージに限りトータルでリーマンの半分といわれる。環境省がまとめた国内廃棄物の処理・資源有効利用の市場規模によると、2017年49兆6150円が30年53兆707億円に拡大。天災や事故処理にも定評がある。
 

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