証券ビュー

企業レポート

一人ひとり頑張る 大同メタル 3月25日 (2020.03.24)

新年度に相当な反転 
コロナ拡大続かず原油先物安追い風
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 大同メタル工業(7245)は正念場。3Q連結35.9%営業減益。4Q乱気流に包まれた。新型コロナ感染拡大、原油先物急落、同時株安など大揺れ。国内外、見通しがつかないためだ。一見、リーマン・ショック(2008)に匹敵する事態。世界中リスクオフが伝えられ、直近中国蘇州9割操業とタイのアルミダイカスト新工場稼働が明るい材料という。前期連結6887人、単体1296人。一人ひとりの頑張りにかかっている。SARS(2002)、豚インフルエンザ(2009)、エボラ(2013)などひところ深刻な事態を招き、今も有効な治療法がないにも拘らず、気候温暖化と相俟って終息。体内に抗体ができるかワクチンが開発され巡航速度に落ち着く見込み。同社の場合、昨年11月創業80周年を迎え、新中期計画(2018~23年度)2年目。見通しがつかなくても3年目から加速。半年か1年でWHO(世界保健機関)の非常事態解除が予想される。移動制限や学校閉鎖、イベント中止など長く続かない。経済も中長期回復し、日経平均がリーマン前の1万8138円を回復するまで約8年。万一そうでも、同社のすべり軸受全分野世界トップを目指す同計画に異論ない。3月20日、NY原油先物が20ドル割れ。4月からサウジやロシア増産を見越したもので、「内燃機関を必要とする車が2025年まで増加する見通し」(IEA=国際エネルギー機関)も上振れ。追い風になりそうだ。前回、自動車関連軸受が伸び悩む一方、建機や一般産業向け非自動車軸受も追随。船腹過剰が続く中で船腹用軸受底入れが手掛かりと述べた。「コロナショック」でふるいがかかり、原油先物安も悪材料といい切れない。行き過ぎた株安のリバウンドも大きい。同計画初っ端から自動車中心にトライボロジー(摩擦・摩耗・潤滑技術)ブラッシェアップ(磨き上げ)を打ち出し、自動車でいえば気温上昇2℃とEV普及を加味し、HV(ハイブリッド)やPHV(プラグインハイブリッド)も対象。グローバルマーケットシェア(推定)によると、自動車エンジン用半割33.1%、ターボチャージャー用24.0%、船舶用低速ディーゼルエンジン用54.0%(2018年歴年ベース)ともに世界トップ。滅法強い。このため、新年度に同計画を見直してもローリング程度。2020~21年調整運と述べた通りだ。独立独歩で闊達な社風。CEOが同運で底固めに尽きるポジション。この時の苦労が数年後に実るはずだ。
 2020年3月期(連結)は、売上高1001億円(7.1%減)、営業利益45億円(38.0%減)、経常利益44億円(33.6%減)、純利益48億円(16.1%増)と従来通り。80周年記念5円増配し35円配当(期末15円)の予定。設備投資102億円(前期72億円)、償却92億円(同85億円)の計画。英国子会社の訂正報告がすべて終わりすっきりした。これまで最大のピンチが戦前・戦後の混乱にとどまり、ショックを受けるたび強くなった。リーマン当時Wパンチで今回動じない。新年度に相当な反転が見込まれる。※ 8月7日に発表される決算をご参照ください。

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