証券ビュー

アンコール伊勢町

ドイツにも泣きどころ  4月以降にギリシャデフォルト (2012.02.17)

NY安をかぶり売り先行。一巡後切り返した。ギリシャ支援が間延びしているためで、3月どころか4月総選挙後に持ち越し。日銀の金融緩和を織り込んだだけに持て余した。ギリシャの総選挙は2月の予定が4月に延期されたもの。EU、IMF、ECBから追加支援を受けるのを優先。4月の選挙で放漫財政をかついだND(新民主主義党)が与党のPASOK(全ギリシャ社会主義運動)を破るのは確実な情勢。緊縮反対を唱え国民の支持を伸ばしているためだ。NDが与党になれば追加支援ストップ。4月にユーロ脱退と述べた。結局、秩序ある処理ができるか否か。NYタイムズによると、ギリシャは1月時点で約束した国有財産売却650億ドルに対し20億ドル、同公務員3万人削減計画も1000人どまり。現首相は真面目で本気だが、現職や出馬予定者が有権者の不興を買う政策に踏み切れず平行線。ドイツとギリシャの対立は決定的で、4月以降先送りしたデフォルトが決まる見込み。調べてみると、ドイツにも泣きどころ。住宅バブルこそ起きなかったが、欧米の熱狂的な借り入れブームに煽られ、少なくてもドイツの銀行がアイスランドの銀行210億ドル、アイルランドの銀行1000億ドル、米国のサブプライム債券600億ドルのほか、ギリシャ国債も大量に抱え込んだという。03年から08年にかけてドイツの銀行による金融取引は国内で絶対できないもの。筋の通らない相手先が国内にいなかったため。にもかかわらず、米国のサブプライムからギリシャ国債に至るまで手を出したすべての取引で巨額の損失を計上したという。ドイツの銀行といえばコメルツ、ドレスナー、ドイツ銀行が有名。1870年代に設立されたわずか三つの大手民間銀行が圧倒し、米国と違って公益事業の性格が強い。それもトリプルAの商品で初の損失を計上。政府が救済資金を出すと、基金からPIIGS、PIIGSからドイツの銀行に戻るという玉突きも堂々巡り。直接ドイツの銀行に振り込み、PIIGSの銀行が倒産するケースも検討中という。世界統一政府の本丸といわれるECB。ドイツ連邦銀行をモデルにフランクフルトに本店を構え、金融危機にさらされて再構築。ギリシャ、アイルランド、ポルトガル国債800億ドルに欧州各国政府、銀行貸付4500億ドル。事実上無担保という。FRBも本尊の一角で落日の憂き目。暫く日柄整理とみられ、彼岸底の公算が大きくなってきた。

日経平均は22円安。9238円の引け。出来高24億5800万株、売買代金1兆3800億円。主力が一斉に水準訂正し利食いが入った。円ドル78円、円ユーロも102円台のもみ合い。前場先物の仕掛けが思惑を呼んだ。気になるのが、■■■■■(****)。15万5500万円まであり堅調。目を離せない★★★102の治験終了。世界初の癌治療用ペプチドワクチン製造承認申請。■■■■(****)と■■■■(****)がじり高になっているためだ。続落した■■■■(****)が「大商い」。玄人筋が拾っている模様で興味深い。3月の配当落ちから面白くなりそうだ。ムーディーズが15日、世界の主要銀行、証券17社の格下げ意向を明らかにしたが、背後にヘッジファンドの国債・株先物売り、CDSが絡んでいるとみられる。日経が11日トップで伝えたように、先進国の信用ランキングは■■■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■(****)がドイツ銀、UBSをしのぎ3~5位である。(了凡)