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森羅万象

延期で温存 訪中画策 (2020.03.11)

1988年から生じていた年率20%以上の大幅インフレへの抗議の波が、
学生、一般労働者、商店主へと燎原の火のように広がっていった。
政争となる一方で昭和天皇の訪中まで国際的信用の失墜となった
天安門事件が1989年に起きた遠因であり四面楚歌の打開手段も学習。
国賓来日の返礼は今上陛下の訪中というシナリオの活用である。

武漢コロナウイルスで内外信用が失墜した習近平国家主席にとって
蝗害上乗せは天安門事件級の失脚要因となり得る。
豚肉価格がさらに上がっていることで実勢の不満と不安は高いだろう。
強権発動で失脚ピンチを自画自賛のチャンスに替えてから
切り札としてシナリオ再開のために訪日延期に合意した模様。
    
昨今の新型コロナウイルスの感染拡大で物流機能が麻痺したことから、
中国の1月の消費者物価は5.4%と上昇している。
特にインフレは歴史的にも社会に動乱が生じ政権転覆の引き金になってきた。
ましてや、中華料理で肉とあれば豚肉を指す中国ではアフリカ豚コレラが
2018年8月から蔓延し国内の豚の飼育頭数30%減で豚肉価格が高騰していた。
具体的には昨年11月に前年比110%以上となっているが、食料価格の大幅値上げは、
消費者とりわけ都市部住民にとって不満以外の何ものでもないのは万国共通。
   
飛蝗で小麦やトウモロコシ、大豆など穀物に大きな被害が出ることになれば
新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の大幅停滞に金融緩和政策を
維持する事で食料インフレが加速され、スタグフレーションに陥る懸念が湧く。