今期ピーク更新目前
既存、新分野、海外も伸びる
アイカ工業(4206)は堅調。計画を上回る折り返し。3Qも予想以上になったため、1月31日上方修正に踏み切り直線コース。4Q需要期とあって、4月第4週とみられる決算発表で2度目も考えられる。修正予想に対し、3Q連結累計進捗率売上高、営業利益ともに72%。通期それぞれピークの94、95%に相当し更新目前。リーマンショック後も震災や原発事故、円高、タイ洪水などてきぱきこなしている。建築関連製品が8割を占め、年80万戸台になった住宅着工に対し2ケタ増益。既存製品のシェアアップ、非建築分野開拓、海外拡大の三つが2013年度連結売上高1000億円、経常利益100億円を掲げた新中期計画の骨子になっている。数値の上で当確となり、今後具体的な展開が見どころ。その点、既存製品のシェアアップがより現実的。環境配慮型が90%を突破しているためだ。1981年に樹液採取後ゴムの木を再利用した集成材「イースタンオーク」を発売したのがきっかけ。以来30年、ホルムアルデヒドを抑制した建材、接着剤を市場に送り出し改良・改善を重ね支持されたもの。同社は1936年接着剤メーカーとして設立され、高分子・樹脂技術に定評がある。非建築は自動車や太陽電池、液晶、さらにスマホなど新分野の接着剤や樹脂素材。今期連結54億円(前期40億円)が目安という。海外は中国、インドネシア、マレーシアを軸足に台湾、タイ、ベトナム、昨年8月インドにも拠点。連結売上高50億円レベルを80億円に引き上げる。インドの場合、現地資本の化粧板事業を20億円で譲り受け無難なスタート。新中期計画では海外売上高11%(前期5%)だが、人材次第で20~30%に伸びる。新分野、海外ともに100億円大台乗せが次のステップの足場になりそうだ。昨年3月の震災で福島と茨城工場が被災。双方わずか1ヵ月で復旧した。同年11月、茨城工場内に新研究棟完成。次の手を打っている。2016年(80週年)にかけて2度目の事業確立期。今年安定運で来年後半上昇運。小野社長(55)も安定運で心配ない。
2012年3月期(連結)は、売上高950億円(6.5%増)、営業利益104億円(12%増)、経常利益106億円(同)、純益59億円(9%増)に見直した。2円増配し34円配当(期末17円)の予定。昨年11月230万株(3.3%)消却し6759万株(自己株233万株)。5%超を処分し将来の自己株取得に備えた。13日1116円で引けたが、既存製品のシェア、新分野、海外挙げてピーク更新が高値更新の手掛かり。本決算発表が注目される。武田薬品から買収したガンツ化成を4月1日吸収合併するのも新たなステップと考えられる。