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企業レポート

予想以上の経過 文溪堂 2月28日 (2020.02.27)

受け継がれている使命 
新学習指導要領の仕込み大詰め
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 文溪堂(9471)は堅調。3Q連結4.7%営業利増益。3期連続ピーク更新も考えられる。新学習指導要領移行措置に伴うもので、仕込み大詰め。按分編集費最低に年度末の在庫処分等加味しても予想以上の経過。新年度飛び出しそうだ。小学校2020年度・中学校21年度から新学習指導要領実施。例年1月に行われる販売店説明会の反響がいい。昨年5月明らかになった全国の小学校向け教材スマートオーダーシステム(コンビニ決済サービス)導入が一例。地元の電算システム(3630)が開発のQRコードを利用した受発注システムが話題。請求書番号の送信をSMS(ショート・メッセージ・サービス)を通じてペーパーレスコンビニ決済と連動する仕組み。安全性やコスト負担軽減、データ活用などアップデート。全国学校用品(東京・渋谷)も採用した。このほか、定評あるドリル教材に8か国語で保護者への解説をつけ外国人にアプローチ。出色の試みだ。さらに、「ゆとり教育」を見直したといわれる小学校3、4年生の外国語活動。5、6年生の外国語(教科)が新学習指導要領最大の焦点。週2時間で何ができるか見ものだ。「祖国とは国語」(新潮文庫)で知られる藤原正彦氏(76)が落胆している。大学入試センター試験廃止と同列で、国のリーダーが大局観を見失ったという。狭義で2002年度以降10年度まで実施された「ゆとり教育」半ばで修正。対症療法にとどまった。読む書く話す聞く国語が初等教育の基本。ネットが切れぎれの情報、インデックスといわれる所以。新年度以降、予想される混乱吸収努力が求められる。数年後、同社120年の歴史で創業期(1900)、用紙不足と店員応召に揺れた戦中(1944)に匹敵する場面。仮説に過ぎないものの検証に値する。人口動態によると、2019年の出生数86万4000人。1949年269万7000人をピークに約3分の1だ。学童数減少に跳ね返り、同社は戦前・戦後の混乱を乗り切りベビーブームで予想外のリバウンド。一巡後も地道に実績を積みピーク更新。AIやIoT、5Gなど技術革新の踊り場でデジタルな対応に乗り出した。江戸時代の寺小屋がルーツだけに懐が深い。連結子会社の中学校向け学宝社も健闘している。独立独歩で初代運。2020年、コミュニケーション不可欠。今年の苦労が数年後実るという。水谷社長(62)は天性の働き者。当分、向かうところ敵なし。数年後、夢が叶うと出ている。
 2020年3月期(連結)は、売上高120億2000万円(0.4%増)、営業利益8億1400万円(6.8%減)、経常利益8億3300万円(7.0%減)、純利益5億4200万円(6.7%減)と従来通り。配当31.60円(期末15.80円)の予定。設備投資前期並み(2億1900万円)の計画。期末追い込みに入った。4~6月期入学・進学シーズン。1学期品や上刊品、年刊品など一括計上するため。新学習指導要領をこなし、按分編集費50、30、20%を吸収する構え。創業期をはじめ戦前・戦後を乗り切った使命が受け継がれている。マスク着用が徹底していた。※ 改めて 5月14日に発表された決算をご参照ください。

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