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企業レポート

業界再編に一石 エイケン 2月19日 (2020.02.18)

ピークと肩並べる水準 
次の50年に向けて仕込み本格的
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 エイケン工業(7265・JQ)は強含み。依然売上高がピークと肩を並べる水準。新型肺炎感染拡大にかかわらず締まっている。主力のフィルター部門(前期0.06%増収)が落ちていないためだ。2016年2月ヤマシンフィルタ(6240)と業務提携を発表し、18年4月トヨタ紡織(3116)から品質優秀賞を受賞。ともに話し合いが続いている。17年10月約6億円投入した第8工場稼働(2割増強)に続き北側隣接地約2000坪取得意向も新たな手掛かり。追って新工場着工に踏み切る見通し。ヤマシンが建設機械から総合フィルターメーカーに脱皮を目指し、トヨタグループもCASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)の一環。フィルターエレメントの業界再編に一石を投じる公算が大きい。1957年8月フィルターの部分加工を振り出しに最終組み立てまで一貫生産。国内外、半世紀の実績が評価された。76年に始めたガスバーナの製造販売でも知られる。本社のある御前崎市の人口が2004年合併当時約3万6000人から1割減少したのに対し、同社の従業員(前期末241人)4割増加し地域貢献。市長が盆暮れ挨拶にやってくるのも慣例になった。前回、創業から従業員の安心をつくることに傾注。安心が品質を支えている旨述べた。前期から40代の若手取締役2人が次世代のリーダー。自動車用フィルター50年、燃焼機器40年のデータがAIやIoTによりアップデートする時代。次の50年に向けた仕込みがうかがえる。フィルターは輸出(推定5割)がリード。一貫して円建てだ。3年前持ち直した燃焼機器も、一服したコインランドリーが息を吹き返すと伸びる。300トン3次元トランスファープレス然り。19年5月、開発部を新設し中長期のポジションを確保。第3の柱を立ち上げる運びにある。フィルターの場合、市場ニーズに応える新製品の立ち上げが早いと定評。エンジンの性能維持、長寿命化に腐心している。高品質・低コスト体制再構築、情報収集・企画立案型営業活動にも踏み込む。10、20年先EVの保有台数が増加しガソリンやディーゼル車減少に備えるためだ。蓄積した濾過技術にプレス技術を加味した取り組みも始まった。社運によると、今年気持ちに変化が現れると出ており波が荒い。ヤマシンと共通するところもある。トヨタ紡織は今までの価値を見直す年。大器晩成でエネルギッシュというから面白い。早馬社長(63)が来年から上昇運だけに本格的な仕込みとも受け取れる。目を離せなくなってきた。
 2020年10月期(非連結)は、売上高60億2000万円(1.2%増)、営業利益4億5200万円(2.1%減)、経常利益4億7200万円(2.8%減)、純利益3億3900万円(8.0%減)の見通し。早々10円増配を表明し110円台配当の予定。設備投資3億円(前期2億6900万円)の計画。前期から人件費、原材料費、償却負担が目立つものの乗り切る見込み。コロナウィルスの顚末がどうなろうと前向きだ。18年9月末、台風24号の影響で2日弱大規模なブラックアウトに見舞われ、免疫になっている。

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