さらに2円増配 旭化学 11月26日 (2019.11.25)
連結収益拡大の見通し
国内の受注増に生産追いつかず
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旭化学工業(7928・JQ)はあく抜け。さらに2円増配を表明。連結収益拡大の見通し。前期、親会社の減損2億1400万円とタイ子会社の同1億4800万円を計上。後顧の憂いを一掃した。前期の国内売上高44億1800万円(27.2%増)に対し、1Q事実上ピーク更新。明らかに採算も好転している。米中対立の影響から中国子会社が約10%減収、タイ子会社も盛り上がりに欠ける一方、国内の電動工具・自動車向け受注増に生産が追いつかずフル稼働。人材育成、機械設備増強、高精度の金型製作など没頭している。2010年11月のトップ交代から10年目。記録的なビジネスチャンスがやってきた。2017年まで単元株主800人台が19年ほぼ倍増。市場でも関心が高まっている。同社が1969年マキタ(6586)と取引を開始して半世紀。電動工具の充電式、コードレス化の切り替え急ピッチ。直近推定過半とみられ、市場が電動工具の倍といわれるOPE(園芸機器)で1割程度。国内外、切り替え需要が本格化する見込みだ。マキタが米中対立を受けて中国の生産頭打ち。回りまわって同社のタイ子会社が息を吹き返す公算もある。一方、自動車やポンプ部品、樹脂金型など販売堅調。金型設計から射出成形、アッセンブリ―(部品組み立て)まで一貫生産体制。ペーパーレス時代を口火にAIやIoTに取り組み、精度やスピードでトヨタグループにも一目置かれる存在になった。10年ぶり連結売上高がピークを更新した2018年8月期から次のステップ。グループ100億円が視野に入った。売上高総利益率20%(前期9.7%)も射程圏と考えられる。何より実力主義。日本人のほか中国やベトナム、ブラジル人など外国籍の伸びも目立つ。前期末連結599人(親会社165人)の布陣。バブル崩壊30年、リーマンショック10年を乗り切っただけに一皮むけた。マキタと同様ブレない経営で知られ、良い考え(合理化の追求)、良い商品(信頼の重視)、良い職場(人間性の尊重)一筋。ヒト、モノ、カネ。限度あるものを最高に活かすのが事業という。
2020年8月期(連結)は、売上高82億円(3.6%減)、営業利益2億5000万円(72.4%増)、経常利益2億8000万円(46.6%増)、純利益1億8000万円の見通し。配当11円(期末8円)の予定。設備投資1億8000万円(前期4億6000万円)の計画。2020年、向かうところ敵なし。タイ子会社もそうで、中国子会社が今までの価値観を見直す年。杉浦社長(52)が中国子会社と同運で真価を問われる。マキタやイノアック、トヨタグループなど同じポジションに置かれ、やり甲斐がある。1Q発表(前期1月11日)から注目を浴びそうだ。2001年中国、11年タイ子会社を立ち上げ、10年スパンで回り出した。より多くの人材確保が困難になり、新型ロボットやカメラ技術を導入し品質向上。樹脂成形のほか組付、金型の設計製作、廃プラまで取り組んでいる。