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企業レポート

地につく上振れ 名工建設 11月19日 (2019.11.18)

連結最高益の折り返し
大器晩成エネルギッシュな社運
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 名工建設(1869)は上振れ。連結最高益の折り返し。地についてきた。11月13日の修正発表によるもので、上期10年前の1年分以上稼いでいる。2014年3月期スタートしたJR東海(9022)の新幹線大規模改修工事が口火。橋やトンネル等土木構造物の経年劣化に備えるため、脱線・逸脱や耐震・維持補修のほか追加工事によるもの。2019~22年度鋼橋とトンネル対策が完了する見込みだ。リニア中央新幹線(2027年品川~名古屋開業予定)の関連インフラやガイドウェイ製作工事など、10年後大阪延伸を踏まえ記録的なビジネスチャンス。まだ助走に過ぎない。従来の土木、建築、軌道のほか旧本社再開発の一環でJPタワー名古屋(地上40F)に不動産事業(2Q累計連結売上高6億4600万円)を展開。さらに、20年以降久屋大通り公園整備や24年新中日ビル、27年名鉄名古屋駅再開発など地元案件も目白押し。むしろ、2021年(創業80年)から20年、事業100年の仕込みが本格化する見通しだ。第17次経営計画(2018~20年度)で安全最優先、長期プロジェクトの確実な施工、総合力強化、持続的成長4項目の「ワンランク上」を打ち出し活性化。直近6年連結売上高30.2%増にかかわらず同従業員数8.5%減。スキルアップによるものだ。昨年7月高山線の豪雨災害で同社所長の活躍が伝えられたほか、土木部門でICTとCIMを活用した「総合建設生産システム」。建築部門でも、設計・積算・コスト競争力強化を念頭にBIMやZEB(総合エネルギー消費量ゼロの建物)洗い出し。耐震補強工法SMICの展示・見学会などブラッシュアップ。6月の株主総会、立て板に水という。1990年の上場来高値1850円から2012年安値409円の半値戻し1130円。現在踊り場とみられ、第18次経営計画(2021~23年度)が全値戻しの手掛かり。レギュラーがベストメンバーだけに、若手の伸びにかかっている。
 2020年3月期(連結)は、売上高890億円(7.8%減)、営業利益48億円(15.9%減)、経常利益50億円(16.3%減)、純利益34億円(17.1%減)に見直した。配当19円(期末9.5円)の予定。依然慎重で期待をもてる。前期の大型案件一巡、設計変更、年度末完成引き渡しなど流動的。一喜一憂しても始まらない。社運によると、大器晩成でエネルギッシュ。2020年、今までの価値を見直す時という。渡邉社長(66)は独立独歩。コミュニケーションの年。苦労が数年後実るという。何より、JR東海が天性の働き者。向かうところ敵なし。数年後、夢が叶うと出ている。同社が影響を受けるのも確実で、第17、18次経営計画の進捗次第、社長が現場好きで申し分ない。遅かれ早かれ、様変わりになりそうだ。

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