決め手を欠いた消耗戦 大手メディアの報道に乗るな (2012.02.02)
1月25日のドル・ユーロ売りポジション買い戻しから1週間。小幅往来が続いた。1月30日述べた米国発の金融危機、PIIGS財政危機を通じて日本の国債バブル崩壊、さらに中国バブル崩壊も視野に入り右往左往。決め手を欠いたまま消耗戦に明け暮れているためだ。しかし、3日米雇用統計発表、5日ギリシャ債務交換協議次第で流れがわかる。再びドル・ユーロ売りポジションが先行し、一転して買い戻す展開。PIIGS債の場合、期限を切り合意間近と気を持たせて先送り。政治レベルのリップサービスに終わる公算が大きい。このため、資金繰りのつかない欧州銀が幾つかスケープゴート。日本でいえば97、98年の金融恐慌で山一や長銀、拓銀など実際に行き詰まるまで放置。途中まで一緒になりそうだ。BISのデリバティブ統計によると、欧米金融機関の不良債権1280兆円という。欧米の政府と中央銀行が3年で500兆円の公的資金を投入。これが財政赤字の急増をもたらし、PIIGS中心に対策費の大幅な追加を迫られた。問題が解決するはずがない。差額780兆円も仮需による不良債権飛ばし。タックスヘイブンに棚上げした模様。同情の余地なし。彼らは相場で穴を開け、世界中に迷惑をかけ、いまだ主人公のように振る舞っている。08年9月以降、損失穴埋めの手先がヘッジファンド。国債、株、金や原油など先物を再びレバレッジ30倍で動かして返り討ち。元本を失うほど含み損を抱えているという。先物で売り買いすると、3ヵ月か半年、長くても1年で限月がきて反対売買。PIIGS債もギリシャ、ポルトガルが出来上がりスペイン、イタリア止まり。しかし米国、日本まで射程圏といわれ油断できない。2月1日述べたように、今回の消費税5%引き上げは97年2%の二の舞で、税収の落ち込みが当時の倍以上。もはや現政権に日本の舵取りを任せておくわけにはいかない。日本の場合、一般・特別会計で200兆円の連結予算を組んだとしても、毎年40兆円に復興債18兆円、原発対策・賠償費用など歳出増に拍車。どうひいきしてもやりくり出来そうにない。アジア通貨危機に見舞われた97年、韓国がIMFに身包みはがされたように、日本も永田町と霞が関の既得権を一掃しないと復活しない。御先棒が1月25日明らかになった大阪維新の会を母体とする3大都市圏の首長連合。愛知県の大村知事が東海に「政治塾」を開設。次期衆院選に独自候補を立て既存の政党を粉砕するという。
日経平均は7円高。安寄り後小戻し8809円の引け。出来高21億5000万株、売買代金1兆1500億円。主力がもたついているほか周辺も気迷い。個別でも精彩を欠いた。3Q発表に反応している程度。円が対ドル、ユーロともに高値で張りつき、週末ないし来週明け新値抜けも考えられる。このため、復興関連が無難。■■(****)、■■■■(****)、■■■■■■■(****)など堅調。目立たない■■■■(****)にも下値に買い物が入ってきた。欧州危機は2月乗り切っても3月関門。4、5月回したところで6月につかまる見込み。日経をはじめ大手メディアの報道に乗るとやられる。国内で非常時の国家運営が検討され始めたという。日本は今年もっても来年つかまるとみられ、それなりの対応が必要。2月6日パート2。1月25日の延長上にあれば3月彼岸底も考えられる。(了凡)